研究課題
舌下減感作療法における奏効メカニズムの分子細胞生物学的解析において最終年度においては、口腔内より抗原が取り込まれた場合の所属リンパ節の局在について検討した。現時点でヒトおよびマウスにおける口腔底より取り込まれる抗原についての所属リンパ節は明確には理解されていない。そこで、前年度にマウスによる舌下減感作療法(免疫療法)モデルを作成し、このモデルを使用して口腔内に抗原である鶏卵白アルブミン(OVA)を連日投与して解析を行った。抗原投与後2週間目にアラムと抗原による腹腔内注射により免疫プーストを行い、1週間後に各種リンパ節(舌下リンパ節、耳下腺リンパ節、頸部リンパ節、NALT、脾臓)より単核細胞を調整した。この細胞群よりCD4^+T細胞を精製分離し、別に調整された抗原提示細胞とOVAを添加した培養系で、細胞増殖試験を検討した。その結果、鼻粘膜関連リンパ組織が口腔内の所属リンパ節であるとマウスで考えられていたが、舌下リンパ節より分離したリンパ球が最も投与抗原に対して不応答を認めた。多くの場合、スギ花粉症は鼻粘膜で臨床がでるアレルギー疾患であるが、既に症状が発症している患者に鼻粘膜に抗原を投与することは禁忌行為であった。そこで舌下投与を行うことがWHOで推奨されたが、本研究より得られた結果によりさらに舌下リンパ節に抗原を直接投与すると、マウスにおける鼻嚇きやくしゃみは優位に抑制されることを見い出した。この結果は、将来の新たなアレルギー治療の一端をなすものであると考えられる。
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