「過去の実績データに基づくオーダ時の警告・アドバイス」手法精緻化のためのデータ収集と分析および、本手法を用いる医療事故防止システムの実用化に向けた環境の構築を目標とし、平成20年度は、以下の研究計画を実施した。 1)本手法の基礎データの収集 病院情報システムから過去6年分の病名データを抽出し、データのクリーニング作業を行った。既存の過去6年分の処方データと合わせて、本システムの警告手法の精緻化に用いるデータとした。 2)収集したデータの分析とデータベースシステムの構築 得られた病名データは、医師による病名入力時のデータであり期間情報を持っていない。そこで、病名の登録、廃止情報から、病名の有効期間データを生成した。データベースの登録方法を検討し、データベースを構築した。 3)国内、海外、専門家との研究打ち合わせ Commputerized PrescribingにおけるMedication ErrorとAdverse Drug EventのDetectionとPreventionついて、イスラエル・ハイファ研究所のShabo博士、オランダ・アムステルダム大学のPeek博士、オーストリア・ウィーン医科大学のAdlassing博士、ドイツ・PLRI研究所のMarschollek博士ら欧米の専門家と研究打ち合わせを行った。処方警告のための閾値生成や警告タイミングについて重要なアドバイスがあり、来年度以降の研究で取り組むこととなった。
|