研究課題/領域番号 |
20590506
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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研究分担者 |
朝倉 京子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00360016)
平野 裕子 (小原 裕子) 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50294989)
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キーワード | フィリピン / 看護大学生 / 国際移動の心理社会的要因 / 質問紙調査 / 海外就労へのインテンション / 多項ロジスティック分析 |
研究概要 |
看護大学生を対象とした質問紙調査のデータを分析して、海外で働こうと意図するフィリピン人看護大学生の特徴を明らかにした。対象者は、マニラ首都圏にある看護師国家試験の合格率が上位である大学(1校を除き87%以上)を規模別に分け、9校を選定し709名から回答を得た。海外就労意向を「すぐにでも渡航したい」「しばらく働いて渡航したい」「海外で働くつもりはない」の3群に分けて、基本属性、看護大学を選んだ動機、看護師として海外就労する時の期待、フィリピン社会・海外就労の価値・フィリピン人看護師に対する意識、フィリピン人としての規範意識との関連性を多項ロジスティックモデルで分析した。基準カテゴリーは「しばらく働いて渡航したい」である。男は女に比べ、中国系の学生は他の学生と比べ「すぐにでも渡航したい」意図が強い。また経済的困窮度が低いと「すぐにでも渡航したい」と「海外で働くつもりはない」に2極分化する傾向にあった。海外旅行経験がある学生は、「すぐにでも渡航したい」と「海外で働くつもりはない」に2極分化する。看護コースを選んだ動機が、「海外就労で良い収入を得る」が強いと基準カテゴリーと比べ「すぐにでも渡航したい」を選択する傾向が高まり、「海外で働くつもりはない」を選択する傾向は弱まる。「社会や個人の発展のため」が強いほど、基準カテゴリーと比べ「すぐにでも渡航したい」を選択する傾向は弱まる。看護師として海外就労する際の期待は、キャリア発達への期待が強いと基準カテゴリーと比べ「海外で働くつもりはない」は選択されなくなる。「夢の実現」への期待が強いと、「すぐにでも渡航したい」を選択する可能性が高く、「海外で働くつもりはない」は選択されなくなる。「留まって国のために働く」規範が強いと、「すぐにでも渡航したい」を選択する可能性は低く、「海外で働くつもりはない」を選択する傾向にあった。
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