研究課題/領域番号 |
20590509
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関本 美穂 京都大学, 医学研究科, 講師 (00244583)
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研究分担者 |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30246045)
林田 賢史 京都大学, 医学研究科, 講師 (80363050)
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キーワード | ヘルスマンパワー / アウトカム評価 / 組織効率 / プロセス評価 |
研究概要 |
集中治療・感染管珪・輸血管理におけるマンパワーと、診療プロセス・患者アウトカム・医療資源との関係を検討するために、これらの領域におけるプロセス・アウトカム・医療資源消費の指標を開発した。感染管理の指標として、ケースミックス調整した抗生剤の使用量(プロセス指標)および病院感染の発生を検討した。また輸血管理の指標として、赤血球製剤・濃厚血小板・新鮮凍結血漿.アルブミン製剤の患者リスク調整使用量を検討した。DPCデータを利用して、これらのプロセス指標が妥当に評価できるか、診療録レビューを実施して検討した。その結果、患者リスクあるいはケースミックスで調整した血液製剤や抗生剤使用量は、適切な使用とよく関連することが確認された。またDPCデータから得られる抗生剤の使用パターンの情報から、病院感染の発生を同定する方法を開発した。診療録レビューを実施して、この方法により同定された感染症の発生が、実際の感染症発生と一致するか検討した。その結果、一致率をあらわす統計値であるκ値は良好であった。また集中治療患者のアウトカムを評価するために、患者重症度で調整した予後予測モデルを開発した。このようにDPCデータを利用して、さまざまな領域におけるプロセス評価およびアウトカム評価が可能であることが示された。 集中治療における診療体制と、集中治療のプロセスやリスク調整死亡率との関連を検討した。集中治療室を、集中治療医の配置により2群に分けて、栄養管理や感染管理の指標、リスク調整死亡率を比較した。その結果、リスク調整死亡率と集中治療医の配置との間に明らかな関連は認めなかったが、栄養管理や抗生剤の使用と集中治療医の配置との間に、有意な関連を認めた。また集中治療室の在室期間も、短くなる傾向を認めた。
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