平成21年度は、平成20年度と同様に当院研修医において参加観察法にて研修医の院内感染の実践を把握することを行った。平成21年度は感染教育を前年度よりさらに徹底・実践した。各研修医の白衣から細菌培養を行ったところ、ブドウ球菌の検出は平成20年度4名(34名のうち)、平成21年度5名(39名のうち)であり、そのうち平成20年度は2名にMRSAが検出されたが、平成21年度は検出されなかった。また白衣に関しては、同一のものを長期に着用せず積極的に交換することを勧めている現在、各研修医の平均着衣日数を調査したところ、平成20年度6日、平成21年度4、6日間の着衣継続状況であった。このように、MRSAの検出、白衣の着衣日数などはこの研究を通じて感染教育を徹底した効果が表れたと考えられる。さらに、今年度感染対策に関して、研修医自身の実行性に関する自負の度合いをアンケート調査したところ39名中(1)自信あり、必ず手洗いなど実践している6名((15%)、(2)ほぼ自信あり、手洗いなど励行している30名(77%)、(3)あまり自信がない、うっかり手洗いを忘れることがある3名(8%)でかなり多くのの研修医が自信を持って感染対策を実践していることが判った。研修医に対しては昨今このような院内感染の実践部分での検討・研究はまだ充分には行われていないのが現状であるため、このような感染予防の調査・研究は、研修医自身の感染症に対する自覚を促すことにも繋がり、意義のあることと考えられ、この調査および結果を機会に、さらに研究を継続しつつ綿密な院内感染の実践教育を行う予定である。
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