研究課題
昨年度までに引続き、HCV感染があり、かつ、HIVにも重複して感染している例について、本邦の78例の重複感染血友病患者について報告された成績を現在のminimum efficacyと仮定して、この治療効果に相当するパラメーターを変動させて推定を行なった。計算結果は、オーストラリアのシドニーで開催されたHIV/AIDS Conference 2011(10月20日~10月22日)において発表した。一方、治療法の改善による効果上昇の幅をどの程度に見積もるのが適切かを見極めるため、Federation of Infectious Societiesの学術集会(ECII 2010;11月17日~19日、エジンバラ)におけるウイルス肝炎のパラレルシンポジウムにて情報収集を行ない、HCVのGenotypeが1型で6.0 Log IU/mLの血中濃度において、治療の効奏率を50%程度に仮定するのが妥当であろうと判断した。これに対応するパラメータによる計算結果を、ECIIより帰国した翌日の第30回医療情報学連合大会(浜松)におけるスライドに取り入れて口演発表を行なった。これらの研究と平行して、平成22年度はHCV感染後の時間依存的な生存関数を推定し、治療効果の影響について評価する場合の参考値を得るために、HCVの感染時期が分からないことの影響について検討した。すなわち、出生時から5年間のどこかで感染したものとして、この仮定に対応する乱数を発生させ、起点の不確実さが生存関数におよぼす影響を評価した。これに関してはHCVとHIVの重複感染例ではなく、HCVの感染のみの血友病について計算を行なった。計算結果は計算機統計の国際会議であるCOMPSTAT 2010(8月22日~27日:パリ)において演題発表を行なった。
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Studies in Classification, DATA Analysis and Knowledge Organization (Proceedings of IFCS 2009)
ページ: 509-516
医療情報学
巻: 30 Suppl ページ: 1026-1027