研究課題/領域番号 |
20590524
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
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研究分担者 |
山口 三重子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (90279018)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
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キーワード | 在宅緩和ケア / チームアプローチ / 医療システム / がん / 満足度調査 / QOL / 介護 / 医療経済 |
研究概要 |
1. 遺族の満足度調査 H19年度中より、多職種関与によるチームアプローチである、「在宅緩和ケア岡山モデル(岡山)モデル)を対象とした遺族満足度の定量的調査のまとめを行なってきた。H19年度には、FAMCARE調査の項目のまとめを行なったが、H20年度は、介護者の身体的および精神的疲労をまとめた。 結果は、身体的に32人(64.0%)が、精神的に36人(72.0%)が「疲れていた」と回答した。 これらの疲労に対して医療者側からの援助有りと回答した者は33人(66.0%)、家族や親戚からの援助有りと回答した者は40人(80%)であった。疲労軽減に対する要望では、「一日でもぐっすり眠りたかった」、「気軽に話せて、アドバイスが受けられる機会が欲しい」、などの回答があった。介護者自身が行った介護に対する満足度は44%で、FAMCAREによる医療者に対する満足度と比較して低く、介護負担を軽減するための環境整備の必要性が示唆された。 H20年度中に予定していたFAMCARE日本語版のvalidationの論文は作成中である。 2. 診療報酬制度、介護保険制度など各種制度の利用実態に関する調査 本調査は検討中である。 3. 岡山モデルが継続可能な制度上の理由の解明 岡山モデルでは、単独型のモデルやグループ診療モデルと異なり、プライマリケアチームのバックアップに徹する地域緩和ケアチームの存在が必要である。これまでの研究ではこの地域緩和ケアチームが現行制度上の報酬のシェアについてプライマリケアチームを優先する方針を貫いてきたことが、その連携をスムーズにする要因の一つと考えられてきた。しかしこれでは現実的には普遍的なモデルたり得ない。そこで今年度は岡山モデルが持続可能なシステムとなるために必要なコストの試算と、こうした地域緩和ケアチームの存在により、不必要な入院医療が減少することでそのコストが十分埋め合わせられるのではないかとの作業仮説の元に医薬経済モデルの構築を試みている。
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