研究課題/領域番号 |
20590525
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
三宅 眞理 関西医科大学, 医学部, 助教 (50434832)
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研究分担者 |
西山 利正 関西医科大学, 医学部, 教授 (10192254)
田近 亜蘭 関西医科大学, 医学部, 助教 (80368240)
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キーワード | 高齢者介護 / 介護労働 / 認知症ケア / 介護ストレス / ダイバージョナルセラピー / アクティマーカー / アクティグラフ / 唾液アミラーゼ |
研究概要 |
介護労働の軽減を図るために、オーストラリアの認知症ケアの手法であるダイバージョナルセラピー(Diversional Therapy直訳:気晴らし療法)について調査をした。本年度は、介護労働の軽減と労働意欲をどのように高めるか分析するために、オーストラリアの認知症ケアの専門教育についてアルツハイマー協会の教育プログラムの内容を調査した。さらに、オーストラリアの介護老人施設Samarinda Lodgeと日本の特別養護老人介護施設において次の調査を行った。 I.介護者の基礎調査 オーストラリア調査期間21年9月4日~10日:対象者11名、日本調査期間22年2月11日~3月10日:対象者20名。調査内容:(1)アンケート調査:NIOSH職業性ストレス調査。(2)介護者の活動量と睡眠リズムの測定:1週間のアクティグラフとアクティマーカー装着し分析した。その結果、日本とオーストラリアの生活様式の異なりや介護者の人員の配置が異なることが明らかになった。オーストラリアでは食事は数名のキッチン専門スタッフが配膳し、介助が必要な入居者には介護職員が摂食を介助する。朝食は個室に配膳し、一日2回の水分補給の飲み物もキッチンスタッフが行うことが特徴である。 一方、日本では個人の摂食状態にあわせた食事がトレーに用意されており介護職員がトレーを配膳し、介助が必要な入居者に摂食を介助する。すなわち、オーストラリアは細かくサービスを分業するが日本の場合はひとりの介護者の労働が多岐に渡ることが大きく異なる点である。オーストラリアのチームワークの整った合理的なケアの提供が介護労働の軽減に効果的であると考えられる。さらに、様々なスタッフが介護に携わることで入居者には社会的な交流の場となり生活リズムに影響を与える。また、統一されたガイドラインに基づいた介護や認知症のケアは利用者の意思を主体として入居者のQOLを高める。以上のことから、認知症ケアや介護サービスを提供する人員の質や配置、チーム介護についてわが国には参考になる点が多く、両国の異なりについて客観的指標を用いて評価した。
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