研究課題/領域番号 |
20590527
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
福永 真哉 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (00296188)
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研究分担者 |
鈴木 正浩 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (00434952)
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キーワード | 介護老人保健施設 / 摂食嚥下障害 / 経口摂取機能 / 認知機能障害 / 嚥下機能検査 / 口腔通過時間 / 注意機能 / 意欲 |
研究概要 |
本研究の目的は、介護老人保健施設に入所中で脳血管障害などの基礎疾患により、認知機能障害などを合併した摂食嚥下障害をもつ高齢者に対し、介護保険制度を活用した適正で現実的な経口摂取機能向上の支援を行うための方策を検討することにある。今年度は、これまで認知期・先行期障害との関与が指摘されている認知機能障害の摂食嚥下機能に与える影響について、福岡市と福山市の2ヵ所の協力介護老人保健施設において行った予備調査の結果から、摂食嚥下障害を生じた老人保健施設入所高齢者を対象に、摂食嚥下動態、栄養状態と認知、精神、活動機能との関連を検討し、日本摂食嚥下リハビリテーション学会にて報告した。その結果、摂食嚥下、栄養状態の指標と認知、精神、活動機能の各指標の間で、有意な相関を認めなかった。しかし、注意と口腔通過時間の間、および意欲と口腔通過時間の間で逆相関の傾向が見られた。つまり、注意機能が保たれ、意欲が高いほど、口腔通過時間が短縮し、認知機能障害をもつ高齢者の経口摂取機能向上にあたっては、注意機能や意欲にも着目して支援する必要性が示された。この結果をふまえ、本年度施行した本調査では、昨年度作成した調査票の調査項目に基づき、医師によって詳細な嚥下評価が出され、介護老人保健施設で協力が得られた35名の入所者の基本情報、病歴、日常生活動作、神経学的所見、神経心理学的評価、嚥下機能評価、実際の摂食嚥下状況、医療者と家人の対象高齢者の摂食嚥下状態に対する認識などの調査項目の関連を解析し、介護老人保健施設に入所中の高齢者の摂食嚥下障害を引き起こす背景要因と、現実的な経口摂取機能向上の支援を行うための方策について検討する。
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