研究課題/領域番号 |
20590534
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本間 真人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90199589)
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研究分担者 |
幸田 幸直 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40143482)
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キーワード | 核酸誘導体 / リバビリン / 赤血球内蓄積 / 避妊期間 / 催奇形成 / C型慢性肝炎 |
研究概要 |
C型肝炎に対するインターフェロン(IFN)とリバビリン(RBV)併用療法では、RBVの強い催奇形成のため併用療法終了後少なくとも6ヵ月は確実な避妊が求められる。この期間の設定根拠は血漿RBVの半減期(12日)の15倍であり、これ以上の期間を経過すれば体内のRBVが完全消失するとの仮説に基づいている。しかし、実際の患者で検証されたことはない。核酸トランスポーターを介して細胞内に取り込まれたRBVは、リン酸化体となって作用を発揮するが、細胞内の脱リン酸化酵素によって一部はRBVに再変換され細胞外に排出される。一方、細胞内に脱リン酸化酵素がない赤血球では、リン酸化体として高濃度に蓄積することが知られており、消失は血漿中よりも遅いと考えられる。申請者らは、併用療法を受けた患者14名(男/女:7/5、52±11歳)を対象に併用療法終了後6ヵ月以上にわたって血漿中および赤血球内濃度を反映する全血中RBV濃度(約90%がリン酸化代謝物)のモニタリングを行い、避妊期間の妥当性について検証を試みた。 IFR/RBV療法終了時の全血RBV濃度は血漿濃度の約30倍であり(308±147vs.10±5μM)、併用療法終了後の消失相から求めた半減期も全血濃度は血漿濃度の約1.8倍に延長していた(23.9±7.5vs.12.9±44日)。これらのデータから予測したRBV消失に要する期間は、全血で投与修了後176(130-331)日、血漿で79(51-12)日であった。赤血球内のRBVがどの程度催奇形成に関与するかは明らかでないが、少なくとも投与終了後6ヵ月では、体内(赤血球)からのRBV完全消失に不十分と考えられた。
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