血管内皮機能を指標とした抗動脈硬化薬の薬効評価システムの開発

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20590542
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用薬理学
• 研究機関: 琉球大学
• 研究代表者: 山川 研 琉球大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00363664)
• 研究分担者: 安 隆則 琉球大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40265278) ; 島袋 充生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任教授 (60271144)
• 連携研究者: 植田 真一郎 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80285105)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 臨床薬理学

研究概要

血管内皮機能を指標とすることで動脈硬化性疾患の治療における薬物の有効性の評価が期待できる。血管内皮機能障害モデルにおいて心血管作働薬の血管内皮機能に与える影響とその機序について検討した。
内臓脂肪肥満のモデルとしてヒト脂肪酸負荷モデルを用いた検討を行った。このモデルにおいて血管内皮機能障害、白血球活性化およびインスリン感受性の低下を認め、その機序として白血球におけるレニンーアンギオテンシン系の活性化が関与する事を明らかにした。
白血球活性の評価が内臓脂肪肥満における血管内皮機能障害の指標としても有用である可能性について報告した。

研究成果

• [雑誌論文] Impaired glucose tolerance, but not impaired fasting glucose, underlies left ventricular diastolic dysfunction. (2011)
  • 著者名/発表者名: Shimabukuro M, Higa N, Asahi T, Yamakawa K, Oshiro Y, Higa M, Masuzaki H.
  • 雑誌名: Diabetes Care. 34 ページ: 686-90
  • 査読あり
• [雑誌論文] Distinct effects of pitavastatin and atorvastatin on lipoprotein subclasses in patients with Type 2 diabetes mellitus. Epub ahead of print (2011)
  • 著者名/発表者名: Shimabukuro M, Higa M, Tanaka H, Shimabukuro T, Yamakawa K, Masuzaki H.
  • 雑誌名: Diabet Med. ページ: doi:10.1111/j.1464-5491.2011.03240.x.2011
  • 査読あり
• [雑誌論文] Free fatty acid causes leukocyte activation and resultant endothelial dysfunction through enhanced angiotensin II production in mononuclear and polymorphonuclear cells. (2010)
  • 著者名/発表者名: Azekoshi Y, Yasu T, Watanabe S, Tagawa T, Abe S, Yamakawa K, Uehara Y, Momomura S, Urata H, Ueda S.
  • 雑誌名: Hypertension. 56 ページ: 136-42
  • 査読あり
• [雑誌論文] Slower onset of vasodilating action of brain natriuretic peptide (BNP) compared to atrial natriuretic peptide (ANP) in human forearm resistant vessels. (2008)
  • 著者名/発表者名: Minami H, Yasu T, Tagawa T, Yamakawa K, Ueda S.
  • 雑誌名: Eur J Clin Pharmacol. 64 ページ: 859-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Comparability and reproducibility of the carotid-femoral pulse wave velocity measurements using a multi-element carotid tonometry sensor. (2008)
  • 著者名/発表者名: Ueda I, Tagawa T, Watanabe S, Yamakawa K, Yasu T, Ueda S.
  • 雑誌名: J Hum Hypertens. 22 ページ: 699-703
  • 査読あり
• [学会発表] 肥満糖尿病の病態:沖縄クライシスの現場からの考察 (2010)
  • 著者名/発表者名: 益崎裕章, 島袋充生, 山川研, 屋比久浩市, 池間朋己, 比嘉盛丈
  • 学会等名: 第48回日本糖尿病学会九州地方会シンポジウム1
  • 発表場所: 別府市
  • 年月日: 2010-10-29
• [学会発表] 進行性糖尿病性腎症患者を対象とした医師主導ランダム化臨床試験OKINAWA study実施における患者登録上の問題点 (2010)
  • 著者名/発表者名: 植田育子, 佐々木麻衣, 幸喜毅, 山川研, 城間勲, 屋良朝博, 長澤慶尚, 湧上民雄, 砂川優, 山里将浩, 平良伸一郎, 池間朋己, 神谷乗史, 小宮一郎, 益崎裕章, 植田真一郎
  • 学会等名: 第53回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 2010-05-29
• [学会発表] 脂肪酸ならびにリポ多糖体(LPS)によるヒト白血球内レニンーアンギオテンシン系の活性化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大田聡子, 山内祐子, 山川研, 安隆則, 畦越陽子, 松下明子, 植田育子, 植田真一郎
  • 学会等名: 第30回日本臨床薬理学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-12-03
• [学会発表] Elevated FFA from visceral adipose tissue cause microcirculatory dysfunction partly via local renin-angiotensin system in mononuclear cells. (2009)
  • 著者名/発表者名: 安隆則, 畔越陽子, 山川研, 浦田秀則, 植田育子
  • 学会等名: American College of Cardiology
  • 発表場所: Orland, USA
  • 年月日: 2009-03-27
• [学会発表] Elevated FFA from visceral adipose tissue cause microcirculatory dysfunction partly via local renin-angiotensin system in mononuclear cells. (2009)
  • 著者名/発表者名: 安隆則, 小林真由美, 岩崎大地, 山川研, 井上卓, 畦越陽子, 百村伸一, 浦田秀則, 植田真一郎
  • 学会等名: 第73回日本循環器学会学術集会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-03-21
• [学会発表] アンジオテンシII受容体阻害はヒトにおいて遊離脂肪酸惹起性インスリン抵抗性を改善させる (2008)
  • 著者名/発表者名: 畔越陽子, 小林真由美, 山川研, 安隆則, 植田真一郎
  • 学会等名: 第31回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2008-10-11
• [学会発表] Ca拮抗薬によるFFA惹起性内皮機能低下と白血球活性化の改善 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安隆則, 小林真由美, 山川研, 植田真一郎
  • 学会等名: 第31回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2008-10-11
• [学会発表] メタボリック症候群を想定したヒト脂肪負荷血液流動性低下モデルにおける長時間持続型ニフェジピン介入研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 安隆則, 小林真由美, 山川研, 畔越陽子, 百村伸一, 植田真一郎
  • 学会等名: 第31回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2008-10-10
• [学会発表] Enhanced Angiotensin II Forming Activity In Mononuclear Cell By Elevated Free Fatty Acid : Possible Implication in Endothelial Dysfunction as Mobile Renin-Angiotensin System. (2008)
  • 著者名/発表者名: Ueda S, Azekoshi Y, Yasu T, Yamakawa K, Abe T, Uehara Y, Urata H
  • 学会等名: Scientific Session of American Heart Association
  • 発表場所: New Orleans, USA
  • 年月日: 2008-01-10
• [図書] これからの糖尿病薬物治療,求められる理念・予防の視点から.Mebio. 28 (2011)
  • 著者名/発表者名: 益崎裕章, 比嘉盛丈, 山川研
  • 総ページ数: 91-97
  • 出版者: メジカルビュー社
• [図書] 海外文献紹介・ビリルビンを増加させるHIV治療薬アタザナビルは2型糖尿病患者の血管内皮機能を改善する.Angiology Frontier. 10 (2011)
  • 著者名/発表者名: 島袋充生, 山川研, 益崎裕章
  • 総ページ数: 76-77
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] テルミサルタン内服により降圧とともに内臓脂肪面積減少と糖代謝改善が得られた症例.セラピューティックリサーチ.32 (2011)
  • 著者名/発表者名: 山川研, 島袋充生, 比嘉盛丈, 島袋毅, 田仲秀明, 益崎裕章
  • 総ページ数: 405-409
  • 出版者: ライフサイエンス出版
• [図書] 肥満の脂肪組織における炎症.血管医学.12 (2011)
  • 著者名/発表者名: 小塚智沙代, 比嘉盛丈, 屋比久浩市, 島袋充生, 山川研, 益崎裕章
  • 総ページ数: 23-29
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] 脂肪組織グルココルチコイド作用過剰とアディポサイエンス.アディポサイエンス,7 (2010)
  • 著者名/発表者名: 益崎裕章, 山川研, 島袋充生
  • 総ページ数: 168-174
  • 出版者: フジメディカル出版
• [図書] バイオマーカーとしての酸化ストレス・炎症の意義.Cardiovascular Frontier, 1 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山川研, 植田真一郎
  • 総ページ数: 237-241
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] ACE阻害薬の薬理学的作用機序(ACE,ブラジキニンなど).Modern Physician, 30 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山川研, 植田真一郎
  • 総ページ数: 383-386
  • 出版者: 新興医学出版社
• [図書] ARBの開発と薬剤特性.診断と治療,97 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山川研, 植田真一郎
  • 総ページ数: 688-692
  • 出版者: 診断と治療社
• [図書] 日本人の大規模臨床試験DIME study日本人本態性高血圧患者における降圧利尿薬の安全性、降圧効果、費用対効果に関するランダム化臨床試験 高血圧(第4版)日本における最新の研究動向.日本臨床67巻増刊号7高血圧(下) (2009)
  • 著者名/発表者名: 植田育子, 山川研, 植田真一郎
  • 総ページ数: 632-635
  • 出版者: 日本臨床社
• [図書] 新薬の広場 高血圧治療薬【新薬展望2008】治療における最近の新薬の位置付け.医薬ジャーナル.44(増刊) (2008)
  • 著者名/発表者名: 山川研, 植田真一郎
  • 総ページ数: 450-456
  • 出版者: 医薬ジャーナル社
• [備考] ホームページ等