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2009 年度 実績報告書

亜鉛による虚血性神経細胞障害の増悪機序の解明と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590543
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

原 宏和  岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30305495)

研究分担者 足立 哲夫  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40137063)
神谷 哲朗  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (60453057)
キーワード脳神経疾患 / 薬学
研究概要

中高年で発症頻度が増す脳梗塞などの虚血性脳血管障害は、日本における死因の上位を占めている。また、一命を取り留めたとしても後遺症を伴うことが多く、高齢化社会を迎えた現代において、患者のQOLの観点から治療薬の開発は急務な課題である。しかし、脳梗塞により惹起される虚血性神経障害の分子機構は未だ明らかとなっておらず、また、本疾患に対する有効な治療薬もない。近年、必須微量金属である亜鉛が脳虚血により惹起される神経細胞障害に関与していることが示唆されており、虚血性脳血管障害の発症・進展における亜鉛の役割が注目されている。一方で、虚血性脳血管障害の病巣では活性化ミクログリアが認められることから、ミクログリアが上記疾患の神経細胞障害に関与していることも示唆されている。しかし、亜鉛とミクログリアの機能に及ぼす影響については不明な点が多い。本研究では、亜鉛の曝露によりミクリグリアの細胞株HAPI細胞を用いた実験から、インターフェロンβ(IFN-β)の発現が亢進することが明らかとなった。他のサイトカイン類(IL-1β、TNF-α、IL-6)についても検討したが、ほとんどその発現に亜鉛の影響は認められなかった。亜鉛によるIFN-βの発現は、アクチノマイシンD存在下で阻害されることから、転写レベルで制御されていると考えられた。亜鉛は、3種類のMAKキナーゼ(ERK、JNK、p38)のリン酸化を亢進したことから、亜鉛によるIFN-βの発現誘導に対するMAPキナーゼの関与について各種阻害剤を用いて検討した。その結果、JNKの阻害剤により亜鉛によるIFN-βの発現がほぼ抑制された。これより、亜鉛によるIFN-βの発現誘導においてJNKが重要な役割を担っていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Protein kinase C regulation of neuronal zinc signaling mediates survival during preconditioning2009

    • 著者名/発表者名
      Aras MA, et al.
    • 雑誌名

      J Neurochem 110

      ページ: 106-117

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Zinc induces expression of the BH3-only protein PUMA through p53 and ERK pathways in SH-SY5Y neuroblastoma cells2009

    • 著者名/発表者名
      Hara H, et al.
    • 雑誌名

      Neurochem Res 34

      ページ: 1498-1506

    • 査読あり
  • [学会発表] 酸化ストレス防御能評価法の応用-生活習慣病の予防を目指した機能性物質の探索-2010

    • 著者名/発表者名
      原宏和
    • 学会等名
      JST Innovation Bridge 岐阜県四大学研究シーズ発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-03-01
  • [学会発表] ミクログリアにおけるサイトカイン産生に及ぼす亜鉛の影響2009

    • 著者名/発表者名
      原宏和, 中村洋子, 神谷哲朗, 足立哲夫
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20091022-20091024

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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