研究概要 |
1)結合可能なマイクロRNAの探索 日本人を対象としたシーケンシンダにより既に同定していた約20種のヒト薬物動態関連分子(ABCC1,ABCC2,ABCG2,SLC22A1,SLC28A3,SLC29A1等の薬物トランスポーター13種、及びこれらの発現制御に関与しているVDR,CAR,AHR,HNF1A等の転写因子7種)の3'-非翻訳領域に存在する既知の遺伝子多型(約60種)を対象に、遺伝子多型による塩基の置換前および置換後の2条件につき、多型付近の配列を用いて結合可能性を有するマイクロRNAを探索した。インターネットで利用できる既存のマイクロRNAデータベースを用いた検索に加え、動物種間での保存性も考慮した。その結果、SLC22A2の2多型、SLC01B1の1多型、HNF4Aの1多型、及びAHRの1多型を選定し、以下のインビトロ解析に供することとした。 2)マイクロRNA効果の実証準備 上記探索で有望な5多型を有する4遺伝子につき、市販のヒト肝臓または腎臓cDNAを鋳型として、3'-非翻訳領域(主として当該マイクロの結合推定部位前後または全長配列)をfidelityの高い酵素を用いてPCR増幅後、クローニングした。増幅配列は直接シーケンシンダにて確認した。さらにSV40プロモーター支配下にある蛍ルシフェラーゼ遺伝子を有するベクター(pGL3-Promoter Vector)を購入し、ルシフェラーゼ遺伝子の翻訳終止コドン直下のXbaI部位を用いて、クローニングした3'-非翻訳領域を導入した。
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