研究課題/領域番号 |
20590566
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村手 隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (30239537)
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研究分担者 |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
高木 明 名古屋大学, 医学部, 助教 (30135371)
鈴木 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80236017)
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キーワード | sphingosine 1-phosphate lyase / human lung cancer cell lines / real time RT-PCT / cellular S1P level / promoter analysis / DNA pulldown assay and chromatin immunoprecipitation assay / Sp1 protein / GATA-4 protein |
研究概要 |
sphingosine 1-phosphate lyase (SPL)の転写調節機序の解明:SPLはスフィンゴシン1リン酸を不可逆的に分解する酵素で、最近注目されている細胞内セラミド、スフィンゴシン1リン酸(SIP)の量比に大きな影響を及ぼすと考えられている。しかしながら、これまでスフィンゴ脂質代謝酵素SPLのほ乳類の細胞における調節機序はほとんど解析がなされていない。我々が予備実験として5種類のヒト肺がん細胞株を解析するとSPL蛋白はH1155株にのみ発現が認められた。そこでSPL高発現株としてこのH1155を、低発現株としてH1299株を用いて以下の実験を行なった。 SPL酵素活性およびmRNAは予想通りH1155がH1299よりも高く、逆に細胞内SIPはH1299が高値であった。哺乳類以外の細胞でSPLとの関連が示唆されている転写因子GATA-4もH1155にしか認められなかったので、ヒト肺がん細胞株に関してもGATA-4の関与が強く示唆された。ヒトSPLのプロモーター解析では5'側の-136bpから-88bpの領域が最も重要なプロモーター領域である事が示され、この領域には2つのSp1結合部位が示唆されたがGATA転写因子結合部位は認められなかった。DNA pulldown assayならびにelectrophoresismobility shift assayさらにはchromatin immunoprecipitation assayを用いて我々はSp1が上記のSp1転写因子結合部位に結合し、GATA-4はプロモーターDNAには直接結合するのではなくSp1結合部位に結合しているSp1と複合体を形成する事によってSPL転写を刺激する事が明らかとなった。
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