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精度の高いがんの検査・診断のためには、標的となるがん抗原、遺伝子の同定が必要となる。このためには種々のがんに発現するが正常組織では精巣に限局しているがん・精巣抗原(CT抗原)が最も適している。我々はSEREX解析等によりCCDC62-2他数種類のCT抗原を同定してきた。平成22年度は作成したCCDC62-2モノクローナル抗体を用いて口腔扁平上皮癌におけるCCDC62-2タンパクの発現解析を行なった。さらに、肺癌についてSEREX解析を行ない、新たな抗原を単離、同定した。
1.口腔扁平上皮癌におけるCCDC62-2タンパクの発現解析
CCDC62-2遺伝子は口腔扁平上皮癌に比較的高頻度に発現することを認めている。CCDC62-2特異的マウスモノクローナル抗体(C6212)を用いて、口腔扁平上皮癌組織でのCCDC62-2タンパクの発現を免疫組織化学的に解析した。口腔扁平上皮癌細胞では核あるいは細胞質にCCDC62-2タンパク陽性であった。正常粘膜細胞にはほとんど認められなかった。現在、遺伝子の発現及び抗体産生との関連について解析を進めている。
2.肺癌抗原のSEREX解析
肺腺癌についてSEREX解析を行なった。2種類の肺腺癌細胞株よりcDNAライブラリーを作成し、それぞれ自己血清でスクリーニングし、28種類の遺伝子を同定した。これらの遺伝子についてSEREX解析に用いた細胞株を含む5例の肺癌を対象にDNAマイクロアレイ解析を行なった結果、5種類の遺伝子が5例すべての肺癌に共通して高発現していた。このうち正常組織で精巣以外の組織での発現が低い3種類の遺伝子について、同一患者の正常肺組織と癌組織での発現をリアルタイムRT-PCRで定量的に比較検討した。MYL68が2名の患者で癌組織に高発現していることを認めた。
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