研究課題/領域番号 |
20590574
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
常岡 英弘 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40437629)
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研究分担者 |
梅田 昭子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30078604)
柳原 正志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40379954)
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キーワード | Bartonella henselae / 猫ひっかき病 / EIA法 |
研究概要 |
本研究の目的は猫ひっかき病(Cat Scratch Disease: CSD)の血清学的診断用の高感度Enzyme immunoassay(EIA)法の確立である。研究1年目はBartonella henselae ATCC株を用いて、チョコレート寒天培地に発育したB. henselaeの無処理、超音波処理およびN-ラウリルーサルコシン(サルコシン)処理(外膜抗原)した計3種類の抗原を作成し、その抗原性を比較した。 CSD患者(陽性コントロール)および健常人(陰性コントロール)血清を使用し、B. henselae IgGおよびIgM抗体価の標準曲線を検討した結果、サルコシン処理抗原を使用した場合が、陽性と陰性コントロールの吸光度に大きな差がみられ、抗原として最も優れていた。しかし本抗原でも陰性コントロールの吸光度の高い例があった。そこでこの陰性コントロール血清中の非特異物質を吸収する目的で大腸菌の超音波処理菌体で血清を吸収処理したところ、吸光度の減少を認めた。 今回の成績はEIA法による血清B. henselae抗体価測定には抗原にサルコシン処理した外膜抗原を使用し、さらに大腸菌の超音波処理菌体で血清を前処理することで、より精度よく測定できることが示唆された。血清の前処理により、B. henselae抗体価測定の特異性が高まることが期待される。今後は同様な実験を"液体培地でのB. henselae培養菌"について行うとともに菌株の違いをみるため、ネコ由来株についても検討する。
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