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2009 年度 実績報告書

猫ひっかき病の新たな血清学的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20590574
研究機関山口大学

研究代表者

常岡 英弘  山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40437629)

キーワードBartonella henselae / 猫ひっかき病 / EIA法
研究概要

【目的】本研究は猫ひっかき病(Cat Scratch Disease:CSD)の血清学的診断法の高感度Enzymeimmunoassay(EIA)法を確立することである。本法を確立するための最大課題は抗原に"如何なるBartonella henselae蛋白"を使用するかである。研究1年目(昨年度)はBartonella henselae ATCC株を使用して、3種類の抗原、すなわち1)未処理の菌体2)超音波処理菌体3)N-ラウリルーサルコシン液で処理した菌体で比較検討し、3)のサルコシン処理菌体が抗原として最も優れていることを明らかにした。研究2年目(本年度)はそのサルコシン処理菌体の処理沈殿物と上清液の違い、またB. henselae菌体の培養由来の違いついて、さらに検討を進めた。
【方法および結果】サルコシン処理後の沈殿物とその上清液中での比較では処理上清液の方に、より高純度の抗原成分が含まれていることが見出された。これはウエスタンブロット法でも確認された。また培養由来ではチョコレート寒天培地で培養したB.henselaeよりも液体培地で培養した菌体を用いた方が抗原として優れ、同じ菌体でも培養条件の相違により、抗原性が異なることが明らかとなった。そこで"液体培養由来のB. henselae菌体をサルコシン処理し、その上清液"を抗原としたEIA法を確立し、本法の有用性を検討した。CSD患者30例、健常人38例を使用して、B. henselae血清IgG抗体価を測定したところ、カットオフ値0.05とした場合、本法の感度は0.80、特異度0.92で本法のCSD診断の有用性が示唆された。
【結語】今後はサルコシン処理上清をさらに精製し、精製度を上げると同時に、IgM抗体価を組み合わることにより本法の抗体価測定の有用性は一層高まるものと期待される。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 自動分析装置BM-1650による酸化ストレス度の測定2010

    • 著者名/発表者名
      野島順三
    • 雑誌名

      医学検査 159

      ページ: 199-207

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acquired activated protein C resistance is associated with IgG antibodies to protein S in patients with systemic lupus erythematosus2009

    • 著者名/発表者名
      野島順三
    • 雑誌名

      Thrombosis Research 124

      ページ: 127-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 最近注目される微生物-その臨床的意義と検査法Bartonella quintana, B. hensalae2009

    • 著者名/発表者名
      常岡英弘
    • 雑誌名

      臨床と微生物 36

      ページ: 139-142

    • 査読あり
  • [学会発表] Presence of 2 different copies of the tRNA-Ala/GCA-tRNA-Ile/AUC spacer in Bartonella henselae2010

    • 著者名/発表者名
      柳原正志
    • 学会等名
      第83回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] 本邦初めてのBartonella henselaeによる感染性心内膜炎-大動脈弁疣贅からの分離例-2010

    • 著者名/発表者名
      常綱英弘
    • 学会等名
      第21回日本臨床微生物学会
    • 発表場所
      東京ドームホテル
    • 年月日
      2010-01-30
  • [学会発表] MLST法によるわが国のヒトおよびネコ由来Bartonella henselaeの分子系統域2009

    • 著者名/発表者名
      柳原正志
    • 学会等名
      第83回日本感染症学会
    • 発表場所
      東京京王プラザホテル
    • 年月日
      20090423-20090424
  • [学会発表] 感染性心内膜炎患者の大動脈弁疣贅からBartonella henselaeを 分離した1症例2009

    • 著者名/発表者名
      浅利祥子
    • 学会等名
      第42回中国四国医学検査学会
    • 発表場所
      香川県サンポートホール高松
    • 年月日
      2009-10-31
  • [図書] Bartonella henselae感染症(ネコひっかき病)2009

    • 著者名/発表者名
      常岡英弘
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      エンゼビア・ジャパン(株)
  • [図書] 新・カラーアトラス微生物検査(-部執筆:Bartonella henselaeによる猫ひっかき病)2009

    • 著者名/発表者名
      常岡英弘
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      医歯薬出版(株)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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