研究概要 |
I. 良質な論文の収集とデータベース化 前年からの継続作業として、ACP Journal ClubおよびCochrane Libralyでのレビューに用いられた論文の中からその質の評価(内的妥当性)において高く評価された論文を中心に方法および結果部分の文章をCheckリストに従ってデータベースへの格納、蓄積を継続した。その結果、それらの良質な論文においてもSTARD Initiativeなどで挙げられたcheck項目に沿って適切かつ十分に記された論文は少数であり、研究デザイン時からのガイドラインによる啓蒙および論文作成時の漏れのない記載支援が重要と考えられた。 II. 例文作成のための使用語句の頻度調査とコロケーションデータ作成 Iで蓄積された方法や結果の各check項目別の文章を対象にWordSmith Toolsを用いて単語のコロケーション(共起表現)およびその頻度調査を継続した。その結果、 1. 研究のsettingではconducted、対象の同定ではenrolled, referred、組み入れ、除外ではincluded, excludedまたはexclusion, eligible,参照基準ではdefined, considered、結果に対するマスキングではmasked, blinded, unawareなど、それぞれの項目の文章において使用頻度の高い中核となる単語が見いだされた。 2. それら汎用性が高いと考えられる単語を中心としたコロケーションならびに例文の整理により具体的な文章作成支援が可能と考えられた。 III. 診断特性に関する論文作成支援システム(プロトタイプ)の構築 IIのデータをもとにした方法および結果部分の文章作成支援システムのプロトタイプを作成した。すなわち、Checkリストの必要項目から構成される入力フォームおよび類似文例の検索メニュ、また、2×2(あるいはm)表をもとした診断特性の自動計算をローカルPC上で可能とするシステムを構築した。その評価結果により、検査方法(検体検査・画像検査など)により検査方法や観察法、集計法などの記載様式が異なり、論文作成支援にはそれぞれに適したフォーマットが必要と考えられた。
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