研究概要 |
ACP journalに掲載された診断検査関連の108論文を対象に、目的、方法、結果部分の文について、STARD Initiativeで求められている記載項目に沿って分類し、例文登録とともに、その中で、頻用されている語、特に、主要な動詞と前置詞の組み合わせの頻度を調査した。冠詞やbe動詞、haveや助動詞、関係代名詞などを除いた頻度の高い語は、目的で5回以上の頻出が2語で"compare with(to)","use of"、方法で20回以上の頻出は"result of (for,from)","define as (by,in)","use of(for, as, in)"など11語,結果で10回以上の頻出は"show in (by,to)","compare with (in, to)","include in"など9語であった。頻出語は比較的限定されこれらを用いた例文が論文作成に有用と考えられた。 これらの結果をもとに、データベース化した文章をもとにActive Server PageによるWeb上での診断検査論文の作成支援システムを作成した。すなわち、文章作成部分はSTARD initiativeで求められた記載項目毎に入力欄および文例と共起表現の検索、ライフサイエンス辞書による頻用用法の検索、入力内容についてのヘルプから構成され、入力後はテキストにて保存、出力される。また、研究で得た診断特性結果の作成支援として感度、特異度、尤度比などの診断特性の値および信頼区間の推定、ROC曲線作成および編集、曲線下面積の推定、さらには、複数検査のROC曲線下面積における比較検定を可能とした行うツールから構成されている。医療情報学研究会での評価ではWebにおけるデータ漏洩対策、フロー図の作成、研究計画立案時のガイドなどが今後の課題としてあげられたが、実運用の期待は高かった。
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