研究課題/領域番号 |
20590577
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
公文 義雄 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (40215033)
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研究分担者 |
杉浦 哲朗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (50171145)
竹内 啓晃 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (90346560)
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キーワード | 酸化ストレス / 不安定プラーク / fPRL1 / 糖尿病 |
研究概要 |
プラークの破綻にはその形成に関与し慢性的に存在するマクロファージではなく、炎症により局所に浸潤してきた好中球が関与している可能性を我々は指摘し、本研究では好中球の病態関与への役割を免疫組織学的に検討すること、可能であれば実験的にこれを証明することを目的とした、具体的には酸化ストレスを病理組織学的に捕らえることを切り口として、(1)粥状硬化部位にマクロファージとは異なる好中球に由来する酸化ストレスを病理組織学的に検出し、(2)好中球が多数浸潤する部位のROS産生はマクロファージによるものより多い部位があること、(3)好中球のROS産生にはNADPHオキシダーゼ活性が関与していること、(4)好中球活性化の指標に細胞質fPRL1濃度の低下が有効であることを発見した。その結果としてこれらの事実は好中球が浸潤しているプラークが不安定プラークであるという仮説を裏付けるものとなった。この結果を受けて22年度は好中球が血管平滑筋細胞やマクロファージに及ぼす酸化ストレスの効果をin vitroで確認するため、培養平滑筋細胞やマクロファージに活性化好中球を加え、ROS産生などを検討した。fMLPで刺激した好中球は平滑筋細胞への固着は明らかに強く、平滑筋細胞でのROS産生は明らかに増加し好中球が血管平滑筋のROS産生に関与することが判明した。マクロファージを添加した血管平滑筋細胞の系でも同様の実験を行ったが、実験者の手が途中で替わり細胞の扱いに変化があったせいか実験結果は不安定であった。 以上より、好中球のプラークへの浸潤はROS産生を介してプラークの不安定化を助長しているものと考えられる。今後は詳細な実験系を組んで再度検討したい。
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