研究課題/領域番号 |
20590580
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山田 恭暉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60145232)
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研究分担者 |
長谷川 寛雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00398166)
上平 憲 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80108290)
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キーワード | p53 / 放射線 / Hzf / ATM / アポトーシス |
研究概要 |
癌に対する治療法として放射線照射は有効であるが照射は正常な組織にも及ぶ。そのため患者によっては皮膚潰瘍や腸管破裂などの重篤な障害を引き起こすことがある。現在このような放射線に超過敏な患者を事前に診断することはできない。本研究では放射線感受性の個人差を照射後早期にに診断するための検査法を開発することを目的とした。 対象は抗癌剤未投与で放射線照射が予定されている術後の乳癌患者とした。このような患者では放射線照射による影響を純粋に評価することができる。つまり放射線が体のどの部位に照射されようとも血液細胞は血流に乗って照射野を繰り返し通過するため、持続的に少量の放射線を浴びることになる。放射線照射前および照射終了まで週に一回採血し、放射線の血液細胞に与える影響を観察した。 照射後に皮膚障害の程度を評価したが、個々の患者で大きな相違を認めなかった。残念ながら今回対象とした患者群には放射線に高感受性の患者は含まれていなかった。末梢血のリンパ球絶対数は照射によって有意に減少したが好中球の減少はいずれの患者でも認められなかった。興味深いことにリンパ球の放射線感受性はサブセットによって異なり、Tリンパ球はBリンパ球やNKリンパ球と比較してより高い感受性を示した。Tリンパ球の中でもCD8陽性リンパ球が最も感受性が高く、照射後は急激に減少した。照射終了12週の時点で多くの細胞は前値に回復したが、CD8陽性リンパ球の減少は遷延した。照射によるアポトーシス細胞の増加が予測されたが、少なくとも末梢血リンパ球の解析ではアポトーシスの増加を確認できなかった。照射前後においてリンパ球のp53やp14^<ARF>、p16^<INK4A>、Hzf等のアポトーシスや細胞周期に関わる分子群のmRNA発現量を比較したが有意な変動は認められなかった。これらの分子群の変動を見るには照射直後に解析する必要があるよう思われた。
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