IMA(ischemia-modified albumin)は、体内の虚血状態において、アルブミンのN末端アミノ酸8個に変性をきたした蛋白である。アルブミンの虚血状態におけるIMAへの変性は不可逆的なため、ちょうど血糖値におけるグリコアルブミンの如く、IMAが長期における虚血マーカーとして応用できる可能性を我々は想定した。睡眠時無呼吸症候群(OSAS)では、睡眠中は動脈血中酸素濃度が低下するためIMA高値が予想され、有効性が証明されている経鼻持続陽圧呼吸(nCPAP)等の治療が奏功すれば、IMAも下がる可能性がある。そこで我々はOSAS患者1のIMA濃度を健常者と比較し、倫理委員会の承認と患者のインフォームド・コンセントを得た上で治療の前後で比較を試みた。今期はさらに、脳血管障害による呼吸不全を例に、関連マーカーであるParaoxonase-1(PON1)の変動とともに、その病勢と血中濃度の変動を検討した。
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