研究概要 |
生活習慣病危険遺伝子の検索により、数個の候補危険遺伝因子を見つけた。以下に、その結果の1つを報告する。 DNA修復酵素の1つ、Human 8-oxoguanin DNA glycosylase遺伝子多型と2型糖尿病(DM)との関連を調べた。 [方法]山形県高畠町住民検診の参加者(2004-05年)、及び、舟形町住民検診の参加者(2001-05年)、4.606人(男/女:2,096/2,510;平均年齢:62.6±10.9)、が対象。耐糖能の評価は空腹時血糖値(FPG)、及び、糖尿病治療歴より行い、正常血糖(NFG:n=3,942),過血糖(IFG:280)、及び、糖尿病(DM by FPG:384)に分けた(全体解析)。舟形町参加者は糖負荷試験により耐糖能を正確に評価されている事より、この参加者のみを対象とした症例対照解析もおこなった(精密解析:NGT(n=1159),IGT(266),DM(209))。hOGG1遺伝子C977G(Ser326Cys)多型を解析。 [結果]1.全体解析;HbA1c値に対して本多型は(CC vs CG+GG:5.20±0.67vs525±0.72,p=0.031)有意に関連。NFG vs.DM by FPGの症例対照関連解析では、GG+CGがCCに比して有意な危険因子であった(OR:1.34、p=0.013)。2.精密解析;NGT Vs.DMの症例対照関連解析では、GG+GC(1.70、p=0.006)、CG(1.53、p=0.036)、及びGG(2.16、p<0.001)がCCに比して、糖尿病発症に関連すると考えられる諸因子(年齢、性別、BMI,TG)で補正しても有意な危険因子であった。 [考案]hOGG1遺伝子C977G多型が糖尿病と関連し、また、その程度はORで2.16と比較的に高いことを大規模住民検診より明らかにした。
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