研究課題
前年度に提案したセミパラメトリックなベイズ流階層混合モデルに基づく統計解析の枠組みのもとで、本年度は、新たに、関連遺伝子を用いた判別解析での期待判別精度の予測、関連遺伝子の検出での偽陽性と偽陰性の見積もり、さらに、必要症例数設計の方法について検討した。以上の方法の性能を数値実験で評価したところ、従来の方法と比較して、十分な有効性を示すことができた。さらに、前立腺がん、乳がん、肺がん、多発性骨髄腫など、いくつかの癌種のマイクロアレー研究の実データへの適用を通しても、開発した方法の有効性を示すことができた。がんの個体差の検出のためのモデルに基づくクラスター分析法も新たに開発した。数値実験により、一部のがんサンプルのみで発現量が変動している遺伝子のクラスターを効果的に検出できることを確認した。これを白血病データに適用したところ、従来のクラスター法では検出できなかったがんの病型・予後に関わる新たながんのクラスター(分類法)を発見することができた。分子診断法を用いて対象限定や層別を行う治療法開発のための臨床試験のデザインについて、先行研究のレビューと実際の適用例での検討を行い、併せて、上記の研究成果を踏まえて、いくつかの新たな研究課題について取り組んだ。ゲノムワイドデータを用いた治療効果の予測マーカーの開発、そのバリデーション、予測マーカーを用いた治療効果の検証に至るすべてのプロセスを対象とした臨床研究の枠組みを構築した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
Biostatistics
巻: 12 ページ: 223-233
Japanese Journal of Biometrics
巻: 31 ページ: 13-21
Stat Biosci.
巻: 2 ページ: 1-17
Jpn J Clin Oncol
巻: 40 ページ: 620-626