研究概要 |
今年度の研究実績は主に次の3つである。 (1)日本のサーベイランス事業で収集されたインフルエンザ月別発生率データ(1948〜1998)の包括的な時系列解析を行った。その結果、1957年と1968年の新型インフルエンザの出現時と、ワクチンプログラムの導入時に、インフルエンザの流行変動の周期構造がドラスティックに変化したことを定量的に明らかにした。その結果を論文にまとめ、現在、学術誌に投稿中である。 (2)インフルエンザの流行予測の方法を構築するために、その準備として、流行パターンがインフルエンザと非常に良く似ており、かつ流行メカニズムがインフルエンザと比べて比較的簡単な、カンピロバクターのデータの流行予測を行った。得られた結果が、学術誌に掲載決定された(A.Sumi, H.Hemila, et.al., 2009)。 (3)インフルエンザの遺伝子配列の空間構造を調べるために、その準備として、病理組織から空間配列データを作成し、その周期構造を決定、病理組織の空間構造を定量的に把握する方法を構築した。得られた結果が、学術誌に掲載された(M.Keiji, A.Sumi, et.al., 2009)。
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