研究概要 |
【目的】 本研究は、アディポサイトカインであるレプチンおよびアディポネクチンが将来のBMI、血圧および生化学データにどのような影響を与えるか前向きに調査することを目的とした。 【方法】 対象者は福岡県下の健康保険組合に加入している男性労働者で、2000年度に基本健康診査を受診し、血中アディポネクチン及びレプチン濃度の測定に同意し、2003〜2005年まで追跡可能であった391名である。対象者を高アディポネクチン血症または低アディポネクチン血症、高レプチン血症または低レプチン血症に分類し、共分散分析を用い、年齢とBMIで補整した血圧および生化学データを算出し、比較検討した。 【結果】 フォローアップ終了時のデータとベースライン時のデータの差の平均値を比較すると、高アディポネクチン血症の人と低アディポネクチン血症の人では、収縮期血圧と拡張期血圧の増減に有意な差が認められた(SBP; -1.75 mmHg vs 1.13 mmHg, p<.05, DBP; -1.52 mmHg vs 1.19 mmHg, p<.05)。高レプチン血症の人と低レプチン血症の人では、BMIの増減に有意な差が認められ(0.05 vs 0.33, p<.05)、高レプチン血症の人には体重増加抑制効果が認められた。
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