研究課題/領域番号 |
20590620
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 真一 産業医科大学, 医学部, 非常勤助教 (70412632)
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研究分担者 |
小山 倫浩 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00309965)
一瀬 豊日 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80341494)
川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 教授 (60177748)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
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キーワード | Aldh2欠損マウス / 癌 / アルコール |
研究概要 |
慢性飲酒による障害は、厚生労働省から通知された「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」においても「アルコール(飲酒)」はひとつの分野として挙げられており、アルコール性臓器障害を予防することは社会的・医学的に重要な課題となっている。今回、Aldh2欠損マウスにアセトアルデヒドを皮下投与することで、肉眼的観察可能な表皮に扁平上皮癌を発生させる研究を行った。この表皮に発生した扁平上皮癌を分子生物学的・病理学的に検討することでALDH2不活性型の人に高頻度に発症する口腔・咽頭癌や食道癌などの発癌メカニズムを考察し、この癌の治療や予防に応用することを考える。このため、次の群のマウスを作製した。約1年間(5日間連続投与後2日間の投与休止を繰り返す投与方法)の期間、(1)6匹の野生型マウスと5匹のAldh2欠損マウスに100mg/kg体重(LD50の1/5量に相当)のアセトアルデヒドを皮下投与(アセトアルデヒド投与群)。(2)6匹の野生型マウスと5匹のAldh2欠損マウスに1g/kg体重(アセトアルデヒド投与量の10倍で、ヒトでは日本酒600mL程度に相当)のエタノールを皮下投与(エタノール投与群)。(1)(2)のマウスの体重の変動を検討した結果、(1)(2)ともに野生型マウスに比べAN励2欠損マウスで平均体重の減少傾向を認めた。マクロ写真像と投与部位における皮膚病変(潰瘍,びらんや発疹など)の範囲を長軸×短軸で記録した結果、(1)のAldh2欠損マウス1例(1/5)に投与3ヶ月後より表皮を進展する潰瘍を伴った腫瘍発症を認めた。この腫瘍は病理学的に細胞異型と構造異型を認め、扁平上皮癌である可能性が示された。今後、この腫瘍組織における、遺伝子変異の検出を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、Aldh2欠損マウスにアセトアルデヒドを皮下投与することで、肉眼的観察可能な表皮に扁平上皮癌を発生させる研究を行うものであり、アセトアルデヒドを皮下投与したAldh2欠損マウスに腫瘍を発症させることができた。さらに、この腫瘍における病理学的変化を検討し、遺伝子変異の検出を試みることが可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
Aldh2欠損マウスにアセトアルデヒドを皮下投与して発生させた腫瘍組織の病理学的性質を検討し、遺伝子変異の検出を試みる。
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