研究課題/領域番号 |
20590621
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
明星 敏彦 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (00209959)
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研究分担者 |
田中 勇武 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00038035)
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (20320369)
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キーワード | 作業環境計測 / カーボンナノチューブ / フラーレン / エアロゾル / ナノマテリアル / ナノ粒子 / カーボンモニター / 元素状炭素 |
研究概要 |
本研究ではフラーレン、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)などの炭素系工業用ナノ材料が作業環境で気中に浮遊分散した場合のナノ粒子の測定法を開発し、曝露評価手法を提案することを目的とする。 1 炭素系ナノ粒子の収集と標準サンプルの作成 由来の異なるフラーレン、SWCNT、MWCNTを入手し、これらのサンプルを石英フィルタ上に一定量分散したフィルタ試料を作成した。 2 炭素系ナノ粒子の元素状炭素の同定 カーボンモニターは昇温とガス雰囲気を制御することで、試料が排出する炭素量の信号から、サンプルのスペクトラムを得ることができる。このカーボンモニターを用い、炭素系ナノ粒子を分析するため、加熱条件と雰囲気のガス条件を変化させる測定プログラムを検討した。炭素系ナノ粒子の元素状炭素を分別定量する。フラーレンについての測定プログラムとMWCNTについての測定プログラムを決定した。また作業環境中のバックグラウンド粒子と炭素系ナノ粒子のスペクトラムを比較検討した。 3 炭素系ナノ粒子の機械的分散と粒子の形態観察 CNTは塊状で、そのままでは電子顕微鏡で形態を観察しても繊維としての情報は十分に得られない。多層CNTの塊に剪断力など機械的な刺激を加えた場合に分離される繊維や粒子について形態を観察し径や長さの分布を計測した。ここで得られた多層CNTの繊維状粒子の個数基準で幾何平均長さは、4から6μmであったが、繊維状でない粒子も多数含まれていた。
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