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2010 年度 実績報告書

混合有機溶剤取扱い作業におけるリスクアセスメントのための環境濃度予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590623
研究機関産業医科大学

研究代表者

保利 一  産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (70140902)

研究分担者 石田尾 徹  産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (90212901)
キーワード混合有機溶剤 / 作業環境管理 / 気液平衡 / 物質移動速度 / 蒸発速度
研究概要

本研究は,容器に入っている混合有機溶剤が蒸発し,それが気中にどのくらいの速度で拡散するのか,また,それが経時的にどのように変化するのかについて,実験面,理論面の両方から検討を行うことにより,混合有機溶剤作業のリスクアセスメントに有用なツールの開発を行うことを目的として計画したものである.
平成21年度までは,2成分系の混合有機溶剤について,容器に入った液の蒸発速度を求めるとともに,気液平衡論と移動速度論を組み合わせた理論モデルを作成し,両者の比較検討を行い,ある程度の成果が得られたが,現場では3成分以上の混合溶剤が使用されることが多い.そこで,最終年度である平成22年度は,4成分まで発生濃度を推算できるようにモデルを拡張し,実験値と比較検討を行った.また,これまでのモデルは系が定常状態になってからでないと適用できず,蒸気発生初期の濃度変動の大きい過渡状態に対応できなかったが,これについても推算できるように改良を行った.
有機溶剤は物質によって揮発性や極性が異なるため,混合した場合,蒸発することによって液組成が経時的に変化し,その結果,発生蒸気濃度も経時的に変化するが,この改良したモデルを用いて推算した2~4成分系の混合有機溶剤の環境空気中の濃度の経時変化を,実験的に求めた値と比較した結果,両者はきわめてよく一致し,本モデルにより,混合有機溶剤の蒸発速度が精度よく推算できることが認められた.本研究成果は,混合有機溶剤を取り扱う作業のリスクアセスメントに有用な知見を与えるものと考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] リアルタイムモニタリング法による混合有機溶剤蒸気の評価法の検討2010

    • 著者名/発表者名
      保利一, 上川路香, 石松維世, 笛田由紀子, 石田尾徹
    • 雑誌名

      作業環境

      巻: 31 ページ: 57-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A method of estimating changes in vapor concentrations continuously generated from two-component organic solvents2010

    • 著者名/発表者名
      Hori H, Ishidao T, Ishimatsu S
    • 雑誌名

      Journal of UOEH

      巻: 32 ページ: 293-302

    • 査読あり
  • [学会発表] 蒸発に伴う多成分系混合有機溶剤蒸気濃度の経時変化の推算2010

    • 著者名/発表者名
      二十八裕希, 石田尾徹, 石松維世, 笛田由紀子, 樋上光雄, 保利一
    • 学会等名
      第50回日本労働衛生工学会
    • 発表場所
      東京(鉄鋼会館)
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] 蒸発に伴う多成分系混合有機溶剤蒸気濃度の経時変化2010

    • 著者名/発表者名
      二十八裕希, 石田尾徹, 石松維世, 笛田由紀子, 樋上光雄, 保利一
    • 学会等名
      第28回産業医科大学学会
    • 発表場所
      北九州(産業医科大学)
    • 年月日
      2010-10-12
  • [学会発表] 作業環境における多成分系混合有機溶剤蒸気濃度の経時変化の推算2010

    • 著者名/発表者名
      石田尾徹、石松維世、笛田由紀子、保利一
    • 学会等名
      第83回日本産業衛生学会
    • 発表場所
      福井(フェニックスプラザ)
    • 年月日
      2010-05-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.uoeh-u.ac.jp/research/rschls_j.phtml

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公開日: 2012-07-19  

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