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2010 年度 実績報告書

乳腺組織中エストロゲン濃度・エストロゲン合成能と乳がん罹患に関する症例対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590630
研究機関東北大学

研究代表者

南 優子  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60239316)

研究分担者 鈴木 貴  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10261629)
角川 陽一郎  宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 特任研究員 (60221173)
キーワード乳がん / エストロゲン / ホルモンレセプター / 乳腺組織 / 授乳
研究概要

これまでの研究で、血中女性ホルモンと乳がんの発生・進展との関連が明らかにされている。しかしながら、近年の基礎研究で、血中だけでなく乳腺組織中エストロゲンも乳がんの発生・進展に重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究の目的は、症例対照研究の手法を用いて、ホルモンレセプター別に乳腺組織中エストロゲン濃度と乳がん罹患リスクとの関連を明らかにすることである。
研究対象者は、宮城県立がんセンター病院の閉経後女性手術例及び生検例より選定することとし、乳がん手術例を症例、良性乳腺疾患手術・生検例を対照として、データ(血中及び乳腺組織中ホルモン値、組織中アロマターゼ活性、生活習慣質問紙調査、臨床情報、病理診断情報)収集を行った。
平成22年度末までに、乳がん症例53例、対照である良性乳腺疾患1例が蓄積された。対照が1例のみで症例対照研究としての解析が困難であったため、乳がん症例53例のデータのみを共分散分析を用いて解析し、乳癌組織中ホルモン濃度と血中ホルモン、乳癌リスク要因との関連を明らかにした。
Estrogen receptor+(ER+)またはProgesterone receptor+(PR+)の場合、Estradiol(E2)の平均組織中濃度は血中濃度の52.8倍、ER-/PR-では16.0倍。一方、Estrone(E1)、dehydroepiandrosterone sulfate(DHEA)の組織中濃度は、レセプター陽性陰性ともに、血中濃度の約3倍(E1)、約8倍(DHEA)であった。また、ER+またはPR+では「授乳歴あり」で組織中E2濃度が高くなる傾向が認められた(p=0.04)。これらの知見は、ER+またはPR+の乳癌組織内でE2が生合成または血中から集積され、その機序には授乳歴が関与している可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Alcohol consumption and breast cancer risk in Japanese women : The Miyagi Cohort Study2011

    • 著者名/発表者名
      Kawai M, Minami Y
    • 雑誌名

      Breast Cancer Research and Treatment

      巻: 未定(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adiposity, adult weight change and breast cancer risk in postmenopausal Japanese women : the Miyagi Cohort Study2010

    • 著者名/発表者名
      Kawai M, Minami Y
    • 雑誌名

      British Journal of Cancer

      巻: 103 ページ: 1443-1447

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本人女性における成人期の肥満、体重変化と乳がんリスクの関連2010

    • 著者名/発表者名
      河合賢朗、南優子
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] 初発時血清ホルモン値と乳癌予後との関連2010

    • 著者名/発表者名
      角川陽一郎、南優子
    • 学会等名
      第18回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2010-06-25

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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