研究概要 |
山形県舟形町での糖尿病検診の3つのコホート(第1コホート(1990-1992年受検者)、第2コホート(1995-1997年受検者)および第3コホート(2000年-2002年))を対象に悪性新生物発症の有無について調査した。対象者は第1コホートで2534名、第2コホートで2013名おり、約1000名が重複するが、総勢約3500名の対象者となる0アンケートの郵送による調査を検討したが、回収率が低かった場合、本研究の精度の低下が予想されるため、山形県がん登録事業への照会を行った。山形県がん登録事業は1974年から開始されて30数年を経過しているが、1990年以来高水準の登録精度を維持しており、医療機関からの届出票による登録率は全県で約80%である。山形大学医学部倫理委員会の承認を得て、このがん登録事業に登録者照会を行い、舟形町糖尿病検診受検者の悪性新生物発症調査を行っている。現在照合作業中である。他方、食事から摂取される脂肪酸にはリノール酸を代表とするω6系と, エイコサペンタエン酸を代表とするω3系に大別されるが、ω6系の発癌促進効果、およびω3系の発癌抑制効果との関連も指摘されている。血清保存に同意の得られた検診者保存血清を用いて、脂肪酸分画の測定と空腹時血清インスリン濃度の測定を行った。すでに得られている耐糖能の情報とあわせて解析に用いることを検討中である。
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