研究概要 |
山形県舟形町での糖尿病検診の3つのコホート(第1コホート(1990-1992年受検者)、第2コホート(1995-1997年受検者)および第3コホート(2000年-2002年))を対象に悪性新生物発症の有無について調査を行った。対象者は第1コホート~第3コホート総勢約3500名の対象者について山形県がん登録事業への照会を行った。山形大学医学部倫理委員会の承認を得て、このがん登録事業に登録者照会を行い、舟形町糖尿病検診受検者の悪性新生物発症調査を行い、照合結果が得られ、解析中である。 他方、血栓症・出血性疾患・動脈硬化症等の診断・予防の指標になりうるともされる血清脂肪酸分画比と耐糖能状態との関係について比較検討した。糖尿病検診受診者1815人の脂肪酸分画(ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA))を測定し、耐糖能状況と比較した。EPA/AA比は正常型群(平均0.534)に比べ、境界型(0.594)および糖尿病型(0.613)は有意に高値(それぞれp=0.001,p=0.009)。ω3/ω6比(EPA-DHA/ジホモ-γ-リノレン酸・AA)は正常型群(1.10)に比し境界型糖尿病型ともに有意に高値(1.20,1.22,p<0.001,p=0.004)であった。予想に反して、糖尿病群、境界型群で正常型群に比してEPA/AA比・ω3/ω6比は高かった。
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