研究課題
睡眠呼吸障害(SDB)の重症度と頚動脈硬化の進展に明らかな関連があるかどうかを、長年循環器疾患のコホート調査を実施している日本国内2箇所の地域住民を対象に追跡研究を実施した。今年度(平成21年度)の研究成果は、(1)秋田県井川町(228人)において、頚動脈硬化の進展をみるため、ベースラインデータである実施済み頚動脈エコー検査記録から動脈硬化指標である頚動脈内膜中膜厚(IMT)を計測した。また、同時に各種身体測定、バイオマーカーなどを測定した。(2)愛媛県東温地区(455人)において、SDBスクリーニング検査(パルスオキシメトリ法およびフローセンサ法)を実施し、SDBの重症度を測定した。また、同時に各種身体測定、バイオマーカーなどを測定した。また、頚動脈硬化の進展をみるため、ベースラインデータとして頚動脈エコーを実施し、動脈硬化指標である頚動脈内膜中膜厚(IMT)を計測した。今後の予定として、(1)で得られたSDBの重症度および(2)で得られたIMT値は、それぞれ過去に実施した当該被検者のもの比較検討するとともに、各種身体計測値、バイオマーカーとの関連を統計解析する。最終年度であるため、いままでの研究データの解析を進めるが、地域集団に対し研究データを取得することを目指している。SDBスクリーニング検査の2法は、末梢動脈血酸素飽和度または鼻口呼吸気流の計測からSDBの重症度を調べるものである。また、頚動脈エコー検査は、記録済みVTRから専用解析ソフトを用い、頚動脈硬化の進展を調べるものである。いずれも、われわれが実施してきた大規模研究で実績のある標準的な検査法であり再現性も高い。この研究から得られる疫学調査結果から、わが国におけるSDBの早期検出と治療が、頚動脈硬化の進展に伴う心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系疾患の発症を減少させるという重要なエビデンスを得ることが最終目的である。
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