平成20年度は、平成19年度に行った生活習慣アンケート調査の入力作業とデータベース化を行い、同年度の健診成績と統合する準備を整えた。次いで、既に作成されている平成14年度のデータを用いて、喫煙習慣と出生時体重が血圧値に与える影響に交互作用が存在するかどうか検討した。分析対象は男性のみとした。喫煙習慣についてはブリンクマン喫煙指数を用いて3群(0-<300、300-<600、600-)に層別化し、各群における年齢とBody mass indexで調整した出生時体重4群(<2500g未満、2500-<3000g、3000-<3500g、3500g-)の平均収縮期血圧値と平均拡張期血圧値を一元配置分散分析を用いて算出した。 収縮期血圧値(平均値mmHg)に関して、ブリンクマン喫煙指数0-<300では、<2500g未満、2500-<3000g、3000-<3500g、3500g-の順に130.5(n=73)、126.4(n=540)、126.3(n=536)、125.6(n=118)と出生体重が小さいほど有意に収縮期血圧値が上昇する傾向が認められた(傾向性p値=0.014)。ブリンクマン喫煙指数300-<600では、同順に128.1(n=24)、126.3(n=198)、126.9(n=189)、124.5(n=45)、ブリンクマン喫煙指数300-<600では、同順に127.5(n=39)、128.5(n=233)、130.1(n=177)、130.6(n=33)といずれも収縮期血圧と出生時体重との間には統計学的に有意な関連は認められなかった。拡張期血圧に関しては、いずれの喫煙指数群においても両者に関連は認められなかった。 仮説との乖離があり、他の生活習慣に関しても出生時体重との交互作用を検討していく。
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