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2011 年度 実績報告書

動脈硬化の性差とn-3系多価不飽和脂肪酸摂取と血清脂肪酸組成の関連

研究課題

研究課題/領域番号 20590643
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

奥田 奈賀子  滋賀医科大学, 生活習慣病予防センター, 客員助教 (80452233)

キーワード保健栄養 / 循環器疾患 / 脂質代謝
研究概要

【目的】n-3系脂肪酸代謝、特にアルファリノレン酸(ALA)→エコサペンタエン酸(EPA)における男女差が、動脈硬化性疾患、特に虚血性心疾患(CHD)発症の男女差に関連している可能性がある。INTERLIPID研究で得られた、40-59歳男女、日本人とハワイ在住日系アメリカ人(以下ハワイ)の血液検体(随時採血)を用いて、血清リン脂質を定量した。測定はピッツバーグ大学疫学研究部Heinz Laboratoryでガスクロマトグラフィー法を用いて行われた。各対象者について4回行った24hr思い出し法による栄養調査より得た、食事性のこれら脂肪酸の摂取量と血清脂肪酸量を比較した。ALAは植物性油脂に一般に含まれるが、EPAは魚介類に特異的に多く含まれる脂肪酸であるため、国別に男女間比較を行い男女差について検討した。【結果】血清脂肪酸を定量できた、日本人(男558名、女558名)、ハワイ(男100名、女105名)を解析対象とした。栄養調査からのALA:EPA摂取量(%kcal)は、日本人男で0.45:0.79,女で0.33:0.83、ハワイ男で0.05:0.70,女で0.04:0.73であった。血清脂肪酸分画では(%)、日本人男で4.64:0.24、女で4.14:0.26、ハワイ男で0.81:0.18,女で0.89:0.19であった。血清脂肪酸分画でのALA、EPA測定値は食事性各脂肪酸のALA→EPA代謝の影響を検討するため、EPA/ALA比を、栄養調査結果と血清脂肪酸分画でそれぞれ計算し(NEA比とSEA比)、さらにその男女差を検討するため、日本、ハワイそれぞれでSEA比/NEA比を計算したところ、この値は日本で、男で33.3、女で39.4、ハワイ男で59.9、女で86.1であった。【意義】SEA/NEA比が大きいことは、食事性ALA→EPA代謝が盛んであることを示唆し、これが男性よりも女性で、また食事性EPA摂取の少ないハワイで高値であることは、ALA摂取がEPAへの代謝を通して女性おいて、またハワイにおいてCHDに予防的に作用している可能性を示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Relation of dietary and lifestyle traits to difference in serum leptin of Japanese in Japan and Hawaii : the INTERLIPID study2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Y, Ueshima H, Okuda N, et al
    • 雑誌名

      Nutr Metab Cardiovasc Dis.

      巻: 22 ページ: 14-22

    • DOI

      doi:10.1186/1758-5996-3-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岩手県矢巾町における健康支援プログラムの長期効果2011

    • 著者名/発表者名
      高橋ヤエ、岡山明、奥田奈賀子, 他
    • 雑誌名

      日本循環器病予防学会誌

      巻: 46 ページ: 243-251

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ナトリウム・カリウム摂取と循環器疾患2011

    • 著者名/発表者名
      奥田奈賀子、岡山明
    • 雑誌名

      循環器内科

      巻: 70 ページ: 564-555

  • [雑誌論文] Nutrient and food intakes of middle-aged adults at low risk of cardiova scular disease : the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP)

    • 著者名/発表者名
      Shay CM, Okuda N, et al
    • 雑誌名

      Eur J Nutr

      巻: (Epub ahead)

    • 査読あり
  • [学会発表] Vegetable and fruit intake and CVD mortality in Japan : NIPPON DATA80 Nutrition Study 24year follow up2012

    • 著者名/発表者名
      奥田奈賀子、岡山明, 他
    • 学会等名
      第76回日本循環器学会総会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2012-03-18
  • [学会発表] 高血圧治療中者の運動習慣と医療費健診受診者60万人の医療費分析(3)2011

    • 著者名/発表者名
      奥田奈賀子、岡山明, 他
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      宇都宮市
    • 年月日
      2011-10-21

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公開日: 2013-06-26  

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