研究課題/領域番号 |
20590648
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡田 克俊 愛媛大学, 総合健康センター, 准教授 (10314949)
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研究分担者 |
佐伯 修一 愛媛大学, 総合健康センター, 教授 (80145078)
楠元 克徳 愛媛大学, 総合健康センター, 准教授 (10326960)
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キーワード | 果物摂取 / 動脈硬化 / 体力 / 循環器疾患 / 高次機能 / 抗加齢作用 |
研究概要 |
本研究は、抗酸化物質の一つとして分類されている果物類の摂取状況が動脈硬化や高齢化に伴い今後ますます増加すると思われる循環器疾患発症、要介護状態すなわち身体活動能力の低化を抑制しうるかどうかについて検討を行うことを目的としている。 本年度、この目的のために、柑橘類摂取状況アンケート及び基本的医学検査のベースライン調査を過去に完了している約1万人について、その後の循環器疾患発症状況及び転出死亡等の追跡調査、人口動態統計目的外申請データとの照合等の追跡調査を行った。 調査の結果、追跡対象者のうち死亡426名、転出251名、追跡中止4名の把握を完了した。このデータを用いて解析を行い、循環器疾患の各危険因子との関連については既に西太平洋国際疫学会にて報告を行った。昨今のメタボリックシンドローム診断基準について、BMI25.0以上を腹囲基準の代替に用いた解析では、肥満の有無に関係なくその他の診断基準を満たせば、脳卒中発症、急性心筋梗塞発症のリスクとなることが明らかとなった。さらに、死亡解析においては、脳卒中死亡は肥満と関係なく、一方、急性心筋梗塞死亡については肥満及びその他の診断基準の両法を満たしていることがリスクであった。なお本調査においては、全死亡及び全内因死死亡に対してメタボリックシンドロームはリスクと認められなかった。 これらから、単なるメタボリックシンドロームといった概念だけでなく、日本人の食生活などの特性に応じた検討が必要で、今後、追跡期間をさらに延長し、動脈硬化度及び体力測定を繰り返し実施しているサブグループの対象者を増加させ、果物類を含めた各食品摂取状況との詳細な検討を開始する。
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