研究課題/領域番号 |
20590649
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岩永 正子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00372772)
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研究分担者 |
宮崎 泰司 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304943)
朝長 万左男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
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キーワード | 放射線誘発白血病 / 骨髄異形成症候群 / 原爆被爆者集団 / がん疫学研究 / 腫瘍登録 / 放射線被爆 / 造血器腫瘍分類 / リスク評価 |
研究概要 |
これまでの原爆被爆者白血病の疫学解析は、単純な4大病型(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)について統計モデルよる線量反応関係に重点を置いたリスク評価しか行われてこなかったため、放射線誘発白血病の特徴を臨床医に提供するための情報が少ないという問題があった。本研究では、原爆被爆者白血病及び骨髄異形成症候群(MDS)について、FAB分類・新WHO分類、臨床的発症機序別分類のような詳細な臨床的知見を加味したリスク解析を行い、放射線誘発造血器腫瘍について、より明確な医学的知見を提供することを目的とする。本年度は対象症例の抽出と診断確定作業を行った。 対象症例抽出:長崎県腫瘍登録に登録されている症例のうち、1950〜1987年までに発生した被爆者白血病症例、1980〜2004年までに発生した被爆者MDS症例は、研究代表者らによってすでにFAB分類確定作業が終了している。これらの症例については可能な限り新WHO分類によるcoding作業を行った。1988年以降の白血病症例と2005年以降のMDS症例については、まず腫瘍登録に登録されている白血病/MDS関連コード対象者を被爆者・非被爆者にかかわらず綱羅的に抽出し、染色体情報・その他の臨床情報記載などを考慮して、FAB分類・新WHO分類によるcoding作業を行った。 診断確定作業:登録された情報を利用してそのまま疫学解析を行うには様々の問題があるため、採録集積された情報をもとに症例毎に腫瘍登録コードの分類妥当性・診断の妥当性を検討し、下記に挙げる臨床鑑別を特に留意しながら、FAB分類と新WHO分類による診断確定作業を行った:de novo白血病、de novo MDS、MDSより進展した白血病、治療関連白血病、治療関連MDS、多系統形成異常を伴う急性骨髄性白血病。
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