研究課題
本研究の目的は、原爆被爆者に発生した白血病及び骨髄異形成症候群(MDS)について、単純な4大病型(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)別のリスク評価ではなく、FAB分類・新WHO分類・臨床的発症機序別分類のような詳細な臨床的知見を加味したリスク解析を行い、放射線誘発造血器腫瘍についてより明確な医学的知見を提供することである。本年度は、前年に引き続き、長崎県腫瘍登録より対象症例を抽出し、FAB分類・新WHO分類によるcoding作業と診断確定作業を行った。また、MDSについては論文化作業を行った。1)MDS:前年度2009年3月までに診断確定作業を終了しており、本年度は統計解析と論文化をおこなった。すなわち、長崎大学被爆者データベース(n=60,026)とつきあわせて抽出した151例の長崎市発症原爆被爆者のMDS症例、ならびに、放射線影響研究所のLSSコホート(長崎のみ)(n=22,245)とつきあわせて抽出した47例の長崎市発症原爆被爆者のMDS症例について、放射線影響研究所統計部と共同で被爆距離ならびにDSO2線量を用いた詳細な統計解析を行い、放射線影響研究所との合同論文として仕上げ、現在投稿中である。MDS発生は近距離被爆者・高線量被爆者に有意に多く、明らかに線量依存性が認められた。2)白血病:まず、長崎県腫瘍登録に登録された症例を放射線影響研究所のLSSコホート(長崎のみ)とつきあわせて被爆者白血病を抽出し、診断確定作業、FAB分類・新WHO分類によるcoding作業を行っている途中である。2010年3月現在までに約300例の診断みなおしを行った。また、白血病として腫瘍登録されている成人T細胞性白血病(ATL)については、上記白血病見直し作業とは区別して原爆被爆者であるなしにかかわらず診断確定作業を行い、これまでに360例の診断みなおしを行った。
すべて 2010 2009
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