健診センターの受診者(年齢30~79才、総計6985名)を対象に、生活習慣病(内臓肥満症、高血圧、耐糖能異常、脂質代謝異常、高尿酸血症)および動脈硬化症リスクファクターの陽性率と心血管イベントの関係を調べた。平均観察期間男性1346日、女性1358日で、急性心筋梗塞の発症率は、男性2.01、女性1.03(千人年)、冠動脈疾患(急性心筋梗塞+労作性狭心症)男性3.40、女性2.06(千人年)、脳卒中3.47、女性2.49(千人年)といずれも男性が女性に比較して高率であった。一方、腹部肥満、高血圧、高血糖、高中性脂肪、低HDL血症の陽性率、喫煙率、習慣飲酒率でも、男性が女性に比較して高く、高コレステロール血症は男女で差がなかった。心血管イベントの発生率には男女差があり、その発生要因も差がある。さらに、メタボリックシンドローム(内臓肥満症)を有する症例では、血管内皮機能および酸化ストレスマーカーが内臓肥満増加と関連することが強く示唆された。 沖縄県住民(総人口123142名中、国保加入者56810名)を対象とし(1)一次健診データ(住民健診・人間ドック全ての一次健診データ)(2)二次健診データ(75g糖負荷検査、頚部エコー、微量アルブミン)、(3)生活習慣病病歴データ、(4)医療費データ、データベースを作成。(1)一次健診データ(2)保健指導、(3)生活習慣病病歴データ、(4)医療費データ(5)保健指導情報(保健指導記録による)生活習慣病有病者・予備群の概数の把握、健診、医療機関への受診の割合とその効果を把握するための解析を実施した。健診未受診者では、一次検診および二次健診受診者の何れに比較しても、全死亡が多いという結果が得られた。内臓肥満症をベースにした脳・心イベント発症およびその他の致死的疾患が関与している可能性が高いことが示唆された。
|