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2010 年度 実績報告書

介護保険における介護サービスの標準化と専門性の開発と構築

研究課題

研究課題/領域番号 20590654
研究機関県立広島大学

研究代表者

住居 広士  県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30249528)

キーワード要介護定認 / 介護時間 / 介護保険 / タイムスタディ / 要介護度
研究概要

本研究では、介護保険制度における経年的な対象者における要介護状況の変化を除外して、要介護認定基準2009年10月版と,旧版要介護認定基準2006年版との較差を比較するために、介護サービスの標準化と専門性に基づいて、それぞれを同期検証することを研究目的とした。その比較する対象を、同一対象者で同一の時期に、それぞれの要介護認定基準に基づく別途の認定調査員の認定調査結果から要介護認定一次判定を実施した。それぞれの認定調査結果から,要介護認定基準の変更と影響について8施設(400名)と8在宅事業所(208名)の要介護者等の608名を研究対象とし分析した。同期検証した結果、総体的に2009年10月版は、平均合計介護時間はわずか3.37分多めに有意差を持って算出された。要介護度の2006年版から2009年10月版での一致率は、半数近くの調査対象者の要介護度が変化し、軽度化する調査対象者も2割強いた。要介護5の一致率が64.23%と最も高く、要支援1の一致率は29.73%と最も低くなった。要介護5以上に該当する要介護者は2009年10月版の方が2006年版よりも多く分布し、動ける認知症の要介護度はその全体の41.67%が最も軽度化していた。要介護基準等介護時間だけによらない別の指標である介護度の構築が必要である。
介護保険制度のサービスを利用するにあたってはまず被保険者は要介護認定を受けて、要介護認定基準に基づいて要介護度が決定される。介護保険制度の管理運営の根幹である要介護認定基準の変更はすなわち、介護保険料、利用者数、介護給付額に影響を及ぼすことになる。また要介護度は利用者に対する介護報酬と区分支給基準額だけでなく、介護サービスの適用や自己負担にも影響を及ぼす結果となる。介護サービスを受けるには要介護認定を受けることが必要であり、要介護認定は介護サービスを受けるための入り口である。このため、要介護認定の信頼性は、国民の介護保険制度に対する信頼に大きな影響を及ぼす。2009年4月から半年余の間に、2種類の要介護認定システムが同時に採用されている。一連の要介護認定変更の騒動をから、要介護認定システムの変更とその影響は利用者の生活に直接的に影響を与えるものであり、要介護認定基準の介護時間だけによる量的介護評価から質的介護評価を加えた総合介護認定を開発する必要がある。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 要介護認定基準の変更と影響の同期検証-2009年10月版と2006年版一次判定の較差-2011

    • 著者名/発表者名
      三宅文枝・巻幡洋平・山岡喜美子・國定美香・石田博嗣・影山佳奈・住居広士
    • 雑誌名

      人間と科学

      巻: 11 ページ: 125-136

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 介護老人福祉施設における介護支援専門員の地域ソーシャルワークの実態について-1分間タイムスタディによる量的評価を試みて-2010

    • 著者名/発表者名
      石田博嗣・住居広士・山岡喜美子・國定美香・三宅文枝・影山佳奈
    • 雑誌名

      介護福祉研究

      巻: 18 ページ: 63-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 車椅子からベッドへの移乗介護における利用者の動作分析2010

    • 著者名/発表者名
      棚田裕二・塩川満久・住居広士・河村顕治・松本百合美・國定美香・齋藤真智子
    • 雑誌名

      介護福祉研究

      巻: 18 ページ: 79-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 計画担当介護支援専門員を兼務している特別養護老人ホーム看護師の一事例2010

    • 著者名/発表者名
      影山佳奈・石田博嗣・住居広士・國定美香
    • 雑誌名

      介護福祉研究

      巻: 18 ページ: 103-105

    • 査読あり
  • [学会発表] 介護保険通所系サービスの業務の特徴に関する研究 タイムスタディ調査による通所系と施設や病院との比較2011

    • 著者名/発表者名
      影山佳奈・國定美香・石田博嗣・棚田裕二・松本百合美・花田達紀・山岡喜美子・住居広士
    • 学会等名
      第15回日本在宅ケア学会
    • 発表場所
      三原・県立広島大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 在宅介護サービス利用者における要介護認定の変化と影響-要介護認定基準2009年10月版と2006年版の較差-2011

    • 著者名/発表者名
      三宅文枝・影山佳奈・巻幡洋平・國定美香・山岡喜美子・住居広士
    • 学会等名
      第15回日本在宅ケア学会
    • 発表場所
      三原・県立広島大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 韓国の介護保険制度における療養保護士養成の現状と課題2010

    • 著者名/発表者名
      宣賢奎、住居広士
    • 学会等名
      第18回日本介護福祉学会
    • 発表場所
      総社・岡山県立大学
    • 年月日
      20100900
  • [学会発表] 通所介護と介護老人福祉施設における他計式タイムスタディ調査からみた介護時間の比較2010

    • 著者名/発表者名
      國定美香、住居広士、山岡喜美子、石田博嗣、影山佳奈、斉藤真智子
    • 学会等名
      第18回日本介護福祉学会
    • 発表場所
      総社・岡山県立大学
    • 年月日
      20100900
  • [学会発表] 計画担当介護支援専門員のケアマネジメント業務について2010

    • 著者名/発表者名
      影山佳奈、住居広士、國定美香、山岡喜美子
    • 学会等名
      第18回日本介護福祉学会
    • 発表場所
      総社・岡山県立大学
    • 年月日
      20100900
  • [学会発表] レジデンシャル・ソーシャルワークとケアマネジメントの業務実態について-特別養護老人ホームの生活相談員と居宅介護支援事業所の介護支援専門員を比較して-2010

    • 著者名/発表者名
      石田博嗣・住居広士・山岡喜美子・三宅文枝・國定美香・小川真史
    • 学会等名
      第58回日本社会福祉学会
    • 発表場所
      名古屋・日本福祉大学
    • 年月日
      2010-10-11
  • [学会発表] 要介護認定基準の変更と影響の検証-2009年10月版と2006年版の比較-2010

    • 著者名/発表者名
      三宅文枝・住居広士・山岡喜美子・國定美香・小川真史・石田博嗣
    • 学会等名
      第58回日本社会福祉学会
    • 発表場所
      名古屋・日本福祉大学
    • 年月日
      2010-10-10
  • [図書] 韓国介護保険制度の創設と展開-介護保障の国際的視点-2010

    • 著者名/発表者名
      林春植・宣賢奎・住居広士
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] アジア系アメリカ人の光と陰2010

    • 著者名/発表者名
      スーチェン・チャン著, 住居広士翻訳
    • 総ページ数
      338
    • 出版者
      大学教育出版

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公開日: 2012-07-19  

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