研究概要 |
本研究の目的は岩手県北部・沿岸地域の住民26,742人を対象とした大規模な前向きコホート研究である岩手県北地域コホート研究(県北コホート)のデータにレセプトデータを追加し、健診所見や生活習慣が医療費支出に及ぼす影響を明らかにすることである。平成20年度は対象市町村におけるレセプトデータ収集体制を構築した。まず本年度前半には、岩手県国民健康保険連合に赴き岩手県内の市町村でのレセプトデータの電子化状況について調査した。この結果、平成18年度以降のレセプトデータが電子化されており、電子帳票ソフト「快速サーチャー」によって管理されていることが分かった。また電子化されたレセプトデータは当該市町村のコンピュータ端末において閲覧することが可能であり、CSVファイルとしてダウンロードできることが判明した。次いで研究代表者が平成19年度に実際に医療費分析を行った岩手県矢巾町で「快速サーチャー」のデータ項目を確認し、医療費情報として月毎・医療機関別の総保険点数および入院・外来別保険点数が利用できることを確認した。個人特定情報として漢字氏名、性、生年月、被保険者証番号・個人番号が利用できることが判明した。一方、傷病名は電子化されていないことが分かった。本年度後半は、対象市町村のうち洋野町と久慈市において各保健センターを通じてレセプトデータ収集に向けての交渉を行った。特に洋野町では福祉課国保係の担当者と面談し、具体的なレセプトデータの収集方法について協議し、平成21年4月から5月にレセプトデータの収集を行うこととなった。平成21年度は洋野町で収集されたレセプトデータと県北コホートデータを結合し予備的解析を行うとともに、久慈市を含む他の対象市町村でも洋野町で構築したレセプトデータ収集方法を用いてレセプトデータを収集する予定である。
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