研究課題
・プロリンによるヒスチジンの摂食抑制作用に対する減弱効果の検討および、過食防止および拒食防止に有効なタンパク質のヒスチジン/プロリン比の検討:ラットを3群に分け、基本食(20%カゼイン食)、基本食にヒスチジンを添加した3%ヒスチジン飼料、そこにプロリンを添加した3%ヒスチジン+6%プロリン飼料をそれぞれに与え飼育観察した。その結果、プロリンによるヒスチジンの摂食抑制作用に対する減弱効果は明確には認められなかったが、3%ヒスチジン飼料により認められた後腹壁脂肪量の低下傾向は、3%ヒスチジン+6%プロリン飼料で減弱する傾向が認められた。したがって、プロリンはヒスチジンの摂食抑制作用よりも脂肪分解促進作用をよりはやく減弱させている可能性が考えられた。また、1%ヒスチジン飼料と1%ヒスチジン+2%プロリン飼料を用いカフェテリア方式にて実験を行ったところ、1%ヒスチジン飼料に比べ1%ヒスチジン+2%プロリン飼料の摂食量が有意に多かった。したがって、ヒスチジン/プロリン比が2以上になると過食防止作用が表れると考えられた。・肥満(隠れ肥満を含む)および拒食とヒスチジンおよびプロリン摂取との関係:隠れ肥満や拒食傾向者が多いと想定される女子大学生を対象者とし、3日間の食事の聞き取り調査を行った。その結果、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間に認められた負の相関関係は、タンパク質摂取量当たりのプロリン摂取量が多くなると認められなくなった。これより、ヒスチジンの摂食抑制作用と、その作用に対するプロリンの減弱効果が示唆された。・水産加工品の製造工程におけるタンパク質中ヒスチジン量の消長:カツオを素材とした加工品もヒスチジン供給源として有用であると考えられた。
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Journal of Physical Fitness, Nutrition and Immunology 17(印刷中)
栄養学雑誌 66
ページ: 127-132
Journal of Physical Fitness, Nutrition, Immunology 17
ページ: 214-223