研究課題
本研究は、ヒスチジンとプロリンの食欲調節作用を解明することにより適正な食生活指針を提示し、肥満のみならず拒食を防止・解消する方法を提示することを目指している。ラットを用いた動物実験を行った結果、飼料中のヒスチジン/プロリン比が2以上であれば、ヒスチジン摂取による過食防止効果が期待できることが確認された。飼料中のプロリン量を増加させるとヒスチジン摂取による過食防止作用は減弱する傾向がみられたが、プロリンによる顕著な食欲増進作用は観察されなかった。ヒスチジン摂取による摂食抑制効果は、絶食時のラットに飼料を投与した場合、飼料投与後6時間目から観察された。現在、この摂食パターン変化へのプロリンに影響と飲水量への影響を検討している。日韓の女子学生を対象とした栄養調査を行った結果、ヒスチジン摂取による過食防止作用は、タンパク質充足率が高く、プロリン摂取量が少ない場合に顕著であることが観察された。したがって、栄養状態がよく、プロリン摂取量が少ない食事が、ヒスチジンの過食防止作用を高めるものと推測された。また、神経性食欲不振症などの食欲が減退している状態では、プロリン摂取量が多い食事が食欲を高める可能性が示唆された。水産練り製品のタンパク質中ヒスチジンおよびプロリン量は、たら等の原料の遊離アミノ酸量が少ない場合、原料のそれらとほぼ同じであった。また、赤身魚や多獲性赤身魚等の遊離アミノ酸が多い原料から水産練り製品を製造する場合については、現在検討中である。
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