研究課題/領域番号 |
20590666
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
中島 滋 文教大学, 健康栄養学部, 教授 (90149782)
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研究分担者 |
井上 節子 文教大学, 健康栄養学部, 教授 (60095362)
笠岡 誠一 文教大学, 健康栄養学部, 准教授 (00331455)
渡邊 美樹 文教大学, 健康栄養学部, 助教 (20331457)
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キーワード | 肥満 / 拒食 / ヒスチジン / プロリン |
研究概要 |
1. プロリンによるヒスチジンの摂食抑制作用の減弱効果の追試:今年度は、ヒスチジンによる摂食パターン変化へのプロリンの影響を検討した。0.3%メチオニン添加20%カゼイン食を基本食とした。基本食を用いてWistar系オスラットを1週間飼育した後1日絶食させた。翌日、基本食にヒスチジンを5%添加した飼料(H飼料)、または5%ヒスチジン飼料にさらに10%のプロリンを添加した飼料(5%ヒスチジン+10%プロリン飼料:P飼料)のいずれかを与えた。暗期と同時に測定を開始し、12時間後に明期に切り替え、23時間の摂食量を測定した。絶食後1日目の摂食量は、H飼料群の方がP飼料群よりも多かった。絶食後2日目の摂食量は、P飼料群の方がH飼料群よりも暗期で多く明期で少なかった。また総飼料摂取量は、1日目と異なり、P食群の方がH食群よりも多かった。また、この傾向は約1週間観察された。この結果から、プロリンによるヒスチジンの摂食抑制作用の減弱効果は、絶食後2日目より飼料摂取期間全般を通じて現れることが示唆された。さらにこの効果は、高エネルギー高タンパク質飼料を3週間与えて肥満状態となったラットでは、観察されなかった。 2. 肥満(隠れ肥満を含む)および拒食とヒスチジンおよびプロリン摂取との関係:前年度までに行った栄養調査結果から、肥満者はヒスチジン摂取量が少なくプロリン摂取量が多い傾向があることが観察された。また、拒食者はいなかったが、拒食傾向がある場合、プロリン摂取量が少ない可能性があると考察された。 3. 水産加工品のタンパク質中ヒスチジンおよびプロリン量の測定、およびそれらの製造工程におけるタンパク質中ヒスチジンおよびプロリン量の消長:水産練り製品製造工程におけるヒスチジンおよびプロリンの消長を調べた結果、この工程におけるタンパク質中のヒスチジンおよびプロリン量の増減はほとんど観察されなかった。
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