研究課題
食育基本法が施行され、望ましい食習慣の形成は国民的課題となっている。これを受け、自治体、学校、地域の産業団体を通じて様々な食育活動が実施されてきたが、今後どのような取り組みが望ましいのか、見直す時期に差し掛かっている。しかし、食育活動が子どもの「こころ」、成長、行動や保護者世代の生活習慣の改善にどのような効果をもたらしたのか、疫学的に検証する研究は行われていない。本研究は、乳幼児、小学生などの若年者を対象にこれまでの食育教育や活動の効果を小児のこころと健康を含めた医学的見地から科学的に分析する。同時に食育の効果を検証するコホート研究を通じて、望ましい食育の方法を開発し、普及させることを目的とする。本年度は、乳幼児、小学生、中学生の食生活を含む生活環境因子と健康、特に「こころ」と肥満と花粉症の関係を親子間で検討することを目的とした。山梨県牧丘町の「食育と健康に関する検診」に参加した3歳以上16歳以下の子供92人と、その父親55人、母親76人を対象とした。母親が花粉症の場合、母親の食生活の充実は、子どもの「こころ」と花粉症に有意な関係、すなわち抑制的に働くことが認められたが、父親では認められなかった。母親が肥満である場合、母親の食生活と子どもの心身、すなわち、「こころ」、肥満と花粉症との間には有意な関係は成立しなかった。このように食育が子どもの心身への影響を与える条件は、母親における一定の条件によることが示唆された。このように食育に関して画一的な方法を用いることよりもむしろ、母親の健康状況によって工夫することが有効であると考えられた。
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