対象中学校の入学時健診における情報は、学校のフォーマットに従ってデータベース化してあるが、ふたごがペアとして整理されていないなど、研究のための解析に耐えるものではない。平成3年から10年までのデータベースを単胎児と多胎児に分け、出生年月日と父母の年齢が同一のものをふたごと見なしデータベースを加工、再構築した。このようなペアリングの作業は研究代表者が長年行ってきた人口動態調査票におけるペアリングの技法を応用した。具体的には、それぞれの磁気情報を、表計算ソフトウェアを用いて同項目が同カラムになるようにデータ加工し、それぞれの年次ごとに、上記の2基準でソートし、隣り合ったものでそれぞれが等しいことを確認しながら同・妊娠による組を同定し、これを各年次、平成3年から10年まで8年分繰り返した。 加工し再構築されたデータベースを用い、単胎多胎別に年次ごとに、出生体重群別に、体重と身長の経時的推移を観察した。小さい体重で生まれた場合に肥満傾向になっていく様子に注意した。この解析においては、潜在成長モデルを用いて推計値を安定化させる。肥満出現を指標に生活習慣病リスクを推計し、25パーセンタイル、50パーセンタイル、及び75パーセンタイルを閾値として4等分し、総合して「高リスク群」、「高中リスク群」、「中リスク群」および「低リスク群」とした。単胎、双胎、それぞれにおいて個別の計算を行った。高リスク群について、経時的分析を行い、生活習慣病リスクの発現した時期を確認した。 平成21年2月に行われた入学時健康診断で、単胎児及び多胎児を対象に、生活習慣病危険因子(主に血圧)、客観的健康指標、成育環境指標、主観的健康指標、の4点において情報を収集した。
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