研究概要 |
本研究において,合成麻薬MDMAによる毒性機序について,1)血管内皮細胞を用い,2) 実験動物としてマウスを用いて主に脳,心臓と肝・腎臓に焦点をあて,細胞レベルと個体レベルの相同・相違や,個体レベルの毒性変化があるかどうかを含め詳細に検討することを目的とした。まず,合成麻薬MDMAの合成:Broun U ら(J Pharmaceu Sci, 69, 192, 1980)の方法で合成した。合成されたMDMA塩酸塩は融点測定した結果148℃であり,これまでの報告と一致した。NMR法で合成されたMDMA塩酸塩はクロロホルムd1に溶解し測定したところこれまでの文献値と一致した。薄層クロマトグラフィーによる検査では,トキシラボAシステムによる分析結果においてRf値はMDMA(0.22),の単一スポットであり,発色は第1ステージ(コバルトブルー),第2ステージ(淡青色),第3ステージ蛍光(暗色)および第4ステージ(茶色)であった。DB-5カラムを用いたGC-MS法によるトリフルオロアセチル化MDMAはm/z154, 162, 135, 110,などのフラグメントイオンとm/z289の分子イオンが見られ,およびヘプタフルオロブチル化誘導体するとm/z254, 210, 162, 135などのフラグメントイオンとm/z389の分子イオンが見られ確認・同定された。この様に合成されたMDMAを用いて,現在血管内皮細胞を用い毒性機序について実験を進めている。
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