研究課題/領域番号 |
20590681
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
飴野 清 香川大学, 医学部, 准教授 (50019626)
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研究分担者 |
木下 博之 香川大学, 医学部, 教授 (00284357)
JAMAL Mostofa 香川大学, 医学部, 助教 (50418802)
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キーワード | 脳 / エタノール / アセトアルデヒド / 酢酸 / カタラーゼ / アルデヒドデヒドロゲナーゼ / アルデヒドデヒドロゲナーゼ-2ノックアウトマウス |
研究概要 |
生体内に投与されたエタノール(EtOH)は、主に肝臓のAlcohol dehydrogenase(ADH)、CYP2E1、Catalase(CA)により代謝され、アセトアルデヒド(AcH)に、さらにAldehyde dehydrogenase2(ALDH2)によって酢酸へ、次いでTCA cycleにより水と二酸化炭素に代謝される。 2g/kgのアルコールをALDH2ノックアウトマウス(KO)投与するとwildマウスに比較した、血中EtOH濃度の最高濃度にあまり濃度差はないものの、EtOH濃度の低下が遅延し、AcH濃度は極めて高く、また、酢酸濃度は有意に低い結果を得た。ALDH2活性が欠損することによりEtOH、AcH、酢酸代謝の全過程からも証明したといえる。 ALDH2 KOマウスの腹腔内にEtOHを投与すると、血中には高濃度のAcHを検出するが、脳微小循環法で採取した資料から得た脳内AcH濃度は、血中濃度よりも極めて低い。EtOH投与後の脳内AcH濃度は、CA阻害剤(sodium azide;SA;10mg/kg)前投与群は非投与群に比較して、有意に低濃度であった。脳ではcatalase活性が強いことが指摘されており、SA前処理により、脳ではCAを介したEtOH代謝能が抑制されてAcH産生が低下したことを反映しているものといえる。脳内では、CAを介したAcH産生のあることを示唆している。
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