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2009 年度 実績報告書

法医剖検脳における統合失調症組織診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590683
研究機関徳島大学

研究代表者

西村 明儒  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60283561)

研究分担者 藤原 敏  横浜市立大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20173487)
南部 さおり  横浜市立大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10404998)
徳永 逸夫  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30116842)
キーワードlectin / schizophrenia / apoptosis / neuron / hippocampal formation / ChAT / NMDA / AADC
研究概要

統合失調症や認知症性脳変性疾患の海馬歯状回分子層において検出され、健常者にはほとんど見られないレクチン反応陽性球状沈着物に対して、免疫組織化学的手法を用いた検索を行った。2年度目である本年度は、初年度に引き続き16例の20歳代から60歳代の統合失調症剖検脳を用い、さらに15例の70歳代から90歳代のアルツハイマー型認知症およびタングルス型認知症剖検脳を追加して用いた。コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)、小胞アセチルコリントランスポーター(VAChAT)、中枢神経由来の酸化窒素合成酵素(bNOS)、NMDA型グルタミン酸受容体サブユニット(NMDAR1, NMDAR2B)、チロシン水酸化酵素(TH)、トリプトファン水酸化酵素(TPH)、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)に対する抗体を用いて、レクチン陽性の構造物の存在するニューロンの種類の判別を試みたところ、THおよびTPHは、いずれの症例にも検出されなかったが、ChAT、VAChAT、bNOS、NMDAR1、NMDAR2BならびにAADCについては、陽性を示す症例が認められた。これらの結果から本沈着物は、ドーパミンやセロトニン作動性ニューロンではなく、アセチルコリンおよびグルタミン酸作動性ニューロンに存在することが示唆され、前年度の結果と合わせるとこれらのニューロンのアポプトーシスと関連していると示唆された。また、THやTPHが陰性でAADCが陽性であることから、AADCのみを持ち、THとTPHを持たない、いわゆるD-ニューロンも関連している可能性が示唆された。次年度は、個々の症例を詳細に検討し、細胞接着分子(vimentin、N-CAM、S-MAG、N-cadherin)に対する抗体を用いた検索を加えることによってニユーロネットワークの構築障害の根幹であると推定される細胞間接着の異常の有無を明らかにしたいと考える。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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