比較的若年者で死亡時の状況からは何らかの心臓性突然死が強く疑われるものの、解剖によっても死因を明らかとできない症例がある。こうした症例について、遺伝性不整脈に係る原因遺伝子変異検索をおこなった。細胞内のカルシウム濃度を制御する蛋白質の中で、筋肉に豊富に発現しているリアノジン受容体遺伝子の変異の検索をおこなったところ、精神科関連の突然死症例の3例にリアノジン受容体の原因遺伝子変異を発見した。こうした研究は、死因を明らかとするためだけでなく、遺族の突然死を未然に予防するという意味においても社会的に意義の大きい研究と考える。
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